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ネット時代に生き残りかける映画館 料金細分化の韓国と格安定額制のアメリカ

5/2(水) 19:46配信

ニューズウィーク日本版

映画業界では劇場の高級化によって集客アップと入場料アップを図るというのが主流だが、一部ではまったく違う発想も出てきた──

あなたは映画館でSF映画やスペクタクル映画を見ている時、「今、この天井が落ちてきたらどうしよう......」などという想像をしたことはないだろうか? それが韓国のある映画館で現実に起きた。

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4月7日韓国・京畿道にある廣州CGVの上映中の映画館の天井が12枚落ちてくるという事件が起こった。映画を観覧していた観客11人が軽傷を負い病院で手当てを受けた。落ちてきたのは60センチ×110センチの天井部分で、厚さが5mmで軽かったため大きな負傷者は出なかったものの、この映画館がたった6か月前にオープンしたばかりのCGVの映画館だったことに注目が集まった。

この事故に対し、CGV関係者は「韓国国内の物価上昇に伴い、家賃と管理費も値上がりしており、施設投資に使われる費用も継続して増加している状態。負担が大きかった」と訴えた。折しもCGVは映画料金の1,000ウォン(=約102円)の値上げを発表しており、この事故の4日後の4月11日から値上げされた料金で映画チケットを発売。韓国国内では「映画1万ウォン時代突入」と大きく報道されることとなった。しかし、事故直後のタイミングで値上げすることにCGVへの批判が集中した。

韓国の映画事情

CGVは韓国でトップシェアを誇るシネマコンプレックスチェーンである。その後をロッテシネマとメガボックスの2社が追いかけるという状況だ。今までに何度か料金の値上げはあったが、いつもまずCGVが発表し、その後に2社も続いて値上げするというパターンだった。今回も例外なく19日にはロッテが、そして27日からはメガボックスも各1,000ウォンの値上げをした。筆者が韓国に住み始めた2000年には6,000ウォンだった映画料金だが、この18年の間に4,000ウォン、率にして60%もアップしてしまった。

前回のCGVの値上げは2年前の2016年に行われた。しかし、この値上げスタイルがなんとも不思議で今までの方法とは違っていたため消費者を混乱させることとなった。その仕組みとは、館内での座席の位置別で価格を決めるというもので、最前列や通路側など見づらい席と、真ん中の良い席との差別化を図ったもので、場所により細かく価格設定されている。発表当時、窓口で買うよりも自動券売機やネット予約の利用が多い韓国では分かりにくいと不満が集中した。

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