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なぜ#MeToo運動はジャニーズ事務所やTOKIO山口達也には文句を言わないのか?

5/3(木) 7:00配信

文春オンライン

 ちょっと聞いてくださいよ。

 嘆かわしいのは記者会見までやって「本人は相当酩酊状態で、記憶が若干明確でない状態ではあるが、被害者にキスをしたことは間違いありません」ということで、アルコール依存の話になっちゃったことなんですよね。

【写真】憔悴した表情で記者会見に臨むTOKIOのメンバーたち

 何がって、旦那、分かるでしょ、TOKIO山口達也氏の書類送検後の記者会見のことです。

核心については明らかにされずに終わってしまった

 弁護士同席の下で行われたこの記者会見、どのような経緯で事件にいたったかという核心については明らかにされずに終わってしまった、ただただ残念な話なんですよね。

 もちろん、世間一般のアルコール依存な人たちについて、投げかけられる目線が冷たいわけです。本人の意志とは関係なく、つい酒を飲んでしまう、飲んだうえでいろいろやらかしてしまう……。これらは、社会通念上は「酒癖が悪い」とか「酒で失敗するタイプの人」などという、まるっとしたワードで語られて終わってしまいます。如何にも「意思が弱いからアルコールを断てないのだ」と。

 でも、実際にはアルコール依存から脱却しようとすると、本人の意志の強い弱い関係なく、きちんとした治療は必要です。「もう飲まないぞ」となっても、きちんと見ていてくれる家族が必要だ。場合によっては長期入院したり、定期的なケアを受けながら、酒からの自立を志す人も少なくありません。一度依存してしまうと、なかなかその誘惑を断てないのはもはや完全な病気であります。

マネジメントをしていたジャニーズ事務所は何をしていたのか?

 人気グループTOKIOの一員として、テレビの定番番組に出演してきた山口氏にとっても、アルコール依存からの脱却は強い仕事上のストレスからの解放を意味していた部分もあるかもしれません。それは分かる。しかし、親しいメンバーとロケで移動したりすれば、本人の悩みもその酒癖も分からないはずがないと思うんですよ。一度は入院していたっていうじゃないですか。ならばなおさら、マネジメントをしていたジャニーズ事務所はどうしてこんな問題を起こすまで山口氏に寄り添ってやれなかったんだ、せめてアルコール依存から脱するところまで伴走してやれなかったんだって思うわけです。

 他のTOKIOメンバーにしても、彼らがお詫びしなければならないほど、TOKIOが悪かったんでしょうか。被災地・福島への貢献も、仕事としてやっていたにせよ愛される行動をとり続けてきたことは称賛されるべきで、それすらも無かったことのように語られるのはもったいないですし、山口氏のしでかしたことをグループで連帯責任とるような内容には違和感があります。江戸時代の五人組制度じゃあるまいし。もしもアルコール依存で山口氏が苦しんでいるとして、それに本当に気づかなかったとしたら、どういう付き合い方だったんだろうあの五人の中では、と思うのです。心が通い合っている存在だったとするならば、飲酒習慣や酒癖から何かしら気づくことはあったであろうし、山口氏も信頼して「実は俺さ」という膝詰めの相談のひとつもあって、強制わいせつで書類送検されるなんてことは止められたと思うんですよ。もちろん、そこに芸能人ならでは、人気者でないと分からない孤独があるとか、何か余人には分からないものはあるとは感じますけれども。

 別にこれ、ジャニーズ事務所だけを責めている話じゃないんです。そういう場面に居合わせたかもしれない局の人間や、女子高校生側の事務所は何も言わなかったんでしょうか。高校に通っている共演者の連絡先を聞くだけじゃなく、山口氏の自宅にまで呼ぶというのは尋常じゃありませんが、その番組に出て連絡先を聞くまでのあいだは少なくとも酔っ払っていないわけでしょう。 呼び出したときは酔っていたかもしれないけど、酔った勢いで何をしたくなるか分かっているから、敢えてMCを務めている番組に出演している断りづらい相手を選んで呼び出しをかけていた常習犯だったんじゃないのか、と勘繰られても仕方のないところです。言わば「酒癖がいけないのではなくて、酒癖がその人のいけないところを暴く」という類の話ですよ。

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