ここから本文です

周囲の音を聞きながら音楽も楽しめるワイヤレスイヤホン『Xperia Ear Duo』使ってわかった○と×

5/3(木) 10:11配信

@DIME

 ソニーモバイルが『Xperia』のブランド展開を、スマートプロダクトと呼ばれる周辺機器まで広げている。第一弾の『Xperia Ear』は、スマホの機能の一部を切り出し、音声でユーザーをアシストするデバイスだったが、その後、プロジェクターとAndroidを一体化させた『Xperia Projector』や、コミュニケーションロボットの『Xperia Hello!』を発売。スマホの世界を広げる製品として、続々と世に送り出している。

【写真】周囲の音を聞きながら音楽も楽しめるワイヤレスイヤホン『Xperia Ear Duo』使ってわかった○と×

 新たに登場する『Xperia Ear Duo』も、そんな製品の1つだ。“Xperia Ear”と冠していることからもわかるように、この製品は『Xperia Ear』の後継機にあたる。元々の『Xperia Ear』は片耳に装着する、いわゆるヘッドセットだったが、『Xperia Ear Duo』は両耳につけるステレオサウンドのBluetoothイヤホンに生まれ変わった。もちろん、昨今のトレンドを踏まえ、左右独立型のワイヤレスイヤホンになっている。

 独特な形状のイヤホンだが、実機の音はいいのか。使い勝手も、気になるところだ。そこで今回は、『Xperia Ear Duo』の実機を借り、気になるポイントをチェックした。

■周囲の音へ溶け込むように音楽が聞こえる、斬新なスタイル
 『Xperia Ear Duo』は、試作機の段階で一度発表されており、その際には『Xperia Ear Open-stlye』と呼ばれていた。その名称どおり、特徴は外界の音を遮断しない独自の形状にある。イヤホンを常時つけたまま、必要なときだけ音楽を聞いたり、ボイスアシスタントを呼び出したりというのが、このスタイルを採用した理由だ。イヤーピースの中央に穴が開いたような形状は、『Xperia Ear Duo』の個性的といえる。

 耳への装着の仕方は、少々独特だ。耳の穴にイヤーピースを挿して固定するのは通常のイヤホンと同じだが、『Xperia Ear Duo』には音楽再生やボイスアシスタントを呼び出すためのタッチパッドが備わっている。このタッチパッド部分を、耳たぶの下に通す形になる。文字にすると少々複雑に見えるため、実態は以下の写真で見てもらった方が理解しやすいだろう。

 耳の下を通す形でぶら下げるため、一見すると安定性に欠けるようだが、心配は不要だ。見た目ほどの重さはなく、耳に装着するとしっかり固定される。そのため、軽く走った程度だと、いつの間にかぽろっと抜けて落ちてしまう心配はない。ランニングなどにも使えるはずだ。

 通常のイヤーピースとは異なり、『Xperia Ear Duo』は中央に空洞のある形になっており、ここから鼓膜へ直接音を送る仕組みになる。完全に耳をふさいでしまうイヤーピースとは異なり、外の音を遮断しないというわけだ。そのため、音楽を再生しても、周囲の音がかき消される心配はない。メリットは、装着しながらほかのことをしていても、周りの様子がわかるところにある。音楽は聞こえる一方で、ほかの音も耳に入ってくるのは、少々不思議な気分になる。

 逆に、音楽への没入感は、通常のイヤホンよりも少々劣る。電車など、周囲の音が大きい場所に行くと、音量によっては音楽がかき消されてしまうこともある。『Xperia Ear Duo』には、「アダプティブボリュームコントロール」という、周囲の音に合わせて音量を自動で調整する機能が備わっているが、これをオンにしていても、音が聞こえにくい場所はあった。音楽を“ながら聞きする”というコンセプトがあるため、仕様としてはこれで正解なのだが、没入感を求める人には向いていないことも付け加えておきたい。

■タッチパッドの操作性はイマイチ。スマホでの操作が必要か
 音楽の再生・停止や、曲送りなどの操作は、左耳に装着した本体のタッチパッドで行う。タップすると再生・停止になり、ダブルタップで曲送り、トリプルタップで1つ前の曲に戻すといった操作が割り当てられている。スライドさせると音量の変更ができるほか、長押し操作にGoogle Assistantを割り当てるといったことも可能だ。この操作をマスターすれば、スマホをポケットやカバンから取り出さずに、音楽の操作を行える。

 ただし、操作性はあまり期待しない方がいいかもしれない。再生・停止はタップするだけで簡単に行えるが、ダブルタップやトリプルタップは、操作に失敗してしまうことも多々あった。曲を飛ばそうとしたら再生が止まってしまったり、逆に戻そうとしたら1つ先の曲になってしまったりと、なかなか思うように操作ができない。これであれば、スマホをカバンから取り出した方が簡単だと感じた。

 音量の変更も同様に、うまくいかないことが多い。『Xperia Ear Duo』は首で行うゼスチャーにも対応しており、たとえばうなずくと「はい」と言ったのと同じ動作をする。このゼスチャーを、音楽の操作に使うこともできる。標準では設定されていないが、曲送り・戻しを左右の首の動きに割り当てることが可能だ。これを使えば、もっとスムーズに操作ができるようになるかと思いきや、応答することがあったりなかったりと、かなり気まぐれで実用性に乏しい。

 逆に、意図せず曲送りになってしまうこともあるため、この機能はオンにしない方がいいかもしれない。結果として、再生・停止以外は、どの操作をするにも、スマホを取り出した方が早いということになってしまった。Bluetoothイヤホンは、カバンの中にスマホをしまいっぱなしにしたまま音楽を聞けるのが大きなメリットであるため、これは残念。ソフトウェアアップデートでチューニングができそうなだけに、今後の改善には期待したい。

■スマホを取り出す回数は減りそうだが、通知は厳選したい
 『Xperia Ear Duo』は、スマホ側にインストールしたアプリと協調することで、“耳元にあるアシスタント”として機能する。たとえば、1日の初めに装着すると、不在着信や天気予報、ニュースなどを読み上げてくれる。スマホの画面に目を落とす必要なく、身に着けるだけで必要な情報が手に入るというわけだ。

 同様に、通知を読み上げてくれる機能も用意している。標準で対応しているのはGmailやFacebookのMessenger、LINEなど、一部のアプリだけだが、日本のユーザーがよく使うメッセンジャー系のアプリを網羅しているため、『Xperia Ear Duo』をつけっぱなしにしていると、通知を逃すことがなくなり、便利だ。動作の可否はアプリの作りによるが、ユーザーが選んだアプリの通知を読み上げることもできる。

 もっとも、音声だけでメッセージを聞こうとすると時間がかかってしまう。件名などの冒頭部分が読み上げられた段階で重要だと判断したら、サッとスマホを取り出し、全文を確認するといった使い方をしてもいいだろう。

 ただし、この利便性は環境に左右される部分でもある。筆者の場合、プレスリリースがメールで届くため、特定の時間帯に着信が集中してしまう。プレスリリースの中には、申し訳ないが、筆者にとってはあまり重要でないものも含まれているため、届く度に全てが読み上げられるのは、少々うっとうしいと感じることもあった。

 メッセージを読み上げる機能はアプリ単位で選択できるが、ある程度ユーザー側で重要度を決めて、特定のキーワードが含まれる通知だけを読み上げてくれるような設定があると、いいのかもしれない。初めのうちは物珍しさもあって使っていた機能だが、だんだんと面倒になり、Gmailは通知の読み上げ設定そのものをオフにしてしまった。

 声で問いかけるだけで天気予報を教えてくれたり、電話をかけてくれたりする機能も、地味に便利だ。ただし、街中で使おうとすると、どうしても人の目が気になる。使えるのは、家やオフィスの中など、ある程度顔見知りがいる場所に限られそうだ。

 また、LINEが開発したAIエンジンの「Clova」と連携することで、LINEのメッセージを送信できる機能も搭載されている。これも一見便利そうだが、音声でメッセージを送るようなシチュエーションがなかなか起こらない。きちんと文字に変換されているのも心配だ。ここは、直接音声ファイルを送るような形にしてもよかったのではと思う。また、LINEやLINE MUSICを利用する際は、わざわざClovaを呼び出さなければならず、ひと手間かかる。

 音声アシスタントを複数搭載しているのは、一見便利そうだが、特にこうした製品に慣れていない場合は、概念がわかりづらい。LINEやLINE MUSICの時だけ別のアシスタントを呼び出すというのは、提供元のことを考えると理解できる半面、発想が提供者視点になりすぎているきらいもある。

 Bluetoothイヤホンとしては画期的な製品である『Xperia Ear Duo』だが、操作性や音声アシスタントについては、まだまだ改善すべき点は多いという印象だ。とはいえ、ソフトウエアでチューニングできる部分も多い。イヤホンを通じた音声アシスタントはまだ発展途上の分野なだけに、今後の進化にも期待したいところだ。

【石野's ジャッジメント】
UI         ★★★
レスポンス     ★★★★
バッテリーもち   ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
質感        ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

@DIME編集部

最終更新:5/3(木) 10:11
@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2018年8月号
6月15日発売

定価800円

コスパ最強の仕事ガジェット&文房具
ボーナスで買いたいごほうび家電30
2018下半期ヒットのキーワード40