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フェラーリがSUV参入をもったいぶる理由

5/8(火) 6:00配信

東洋経済オンライン

 マセラティ「レヴァンテ」、ジャガー「F-PACE」「E-PACE」、そしてランボルギーニ「ウルス」――。世界の新車市場の4分の1をSUV(スポーツ多目的車)が占めるとされる中、近年はラグジュアリーカーブランドやスーパーカーメーカーですら、SUVを投入する流れになってきている。

【写真】幻の4ドアフェラーリ フェラーリ・ピニンなど

■フェラーリは唯一無二の存在でなければならない

 そんな中で注目されているのがフェラーリの動向だ。先駆けてポルシェが「カイエン」や「マカン」でSUVを展開し、あのランボルギーニですらSUVを出したのだから、フェラーリにだってその可能性はありうる。その証拠にフェラーリのトップであるセルジオ・マルキオンネは最近こんなコメントを出した。

 「フェラーリは『ユーティリティ・ヴィークル』を作る用意はある。しかし、それはフェラーリならではのものだ。(ちまたにあふれるSUV=スポーツ・ユーティリティ・ヴィークルとは違った)FUV(フェラーリ・ユーティリティ・ヴィークル)とでもいうべきものになるだろう」

 これにスーパーカー界は騒然となった。もともと多くのライバルメーカーたちがSUVをラインナップする中、フェラーリだけは、その存在に否定的なコメントを発信し続けていたのだから。

 フェラーリほど実用性から程遠いブランドはない。フェラーリといえばこんなイメージを多くの人が持っているだろう。

 ――真っ赤な、光り輝くような地をはうような優雅なスタイリング。そして遠くからでもその存在感を見せつけるような甲高い排気音。そのバックグラウンドにはモータースポーツの最高峰であるF1のテクノロジーとエンツォ・フェラーリの哲学が生きている――。

 フェラーリはエンツォ・フェラーリがレースカー・メーカーとして創業したイタリア・モデナのメーカーであり、幾つもの社訓とも言うべきこだわりがある。その1つが「4ドア車を作らない」という重要なおきてだ。

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