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ビデオゲームはJリーグを救うか チェアマンに聞く

5/11(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 Jリーグは日本のスポーツ界のなかで、いち早くゲーム対戦競技「eスポーツ」に参入した。当初は「ビデオゲームがスポーツなのか疑念があった」という村井満チェアマンだが、いまやリアルのサッカーと並ぶ柱にと期待をかける。狙いは、高齢化が進むサッカーファンの若返りだ。Jリーグはeスポーツをどう活用しようとしているのか、村井氏に聞いた。
◇  ◇  ◇

■スポーツの概念「ガラガラと崩れた」

 ――Jリーグがeスポーツに参入するきっかけは何でしたか。
 「国際サッカー連盟(FIFA)から『eワールドカップ』を始めると昨年10月に聞いたことです。それまでFIFAは別の名前でビデオゲームの世界大会を開いていて、我々も知ってはいましたが、まったく関心の外でした。FIFAがそこまで(ビデオゲームに)本気とは思いもしなかったのです。『ええっ、ワールドカップやるの?』という感じで。ワールドカップの国内予選ならば、Jリーグとしてもきちんとやらなければと考えました」
 ――「eワールドカップ」がなければ、参入はもっと遅れていたということですか。
 「遅くなっていたでしょうね。そのくらい日本のサッカー界にとって、eスポーツは遠い存在でした」
 ――FIFAから話があって半年後の2018年5月4日には、国内予選を兼ねた「明治安田生命eJリーグ」を開きました。eスポーツについて、見方は変わりましたか。
 「はい。私のなかでガラガラと崩れていく感覚がありました。日本では久しく、学校の体育がスポーツのベースとなってきました。だから汗をかいて体を動かすことがスポーツと考えがちです。しかし世界では、非日常で楽しむことがスポーツと定義されています。eスポーツを見てもらうことも、Jリーグを見てもらうことになるのです。日本において、スポーツの定義を変えることに近いのかもしれません」
 ――eスポーツには何を期待していますか。ファンの裾野を広げる効果もあるのではないですか。
 「自分が体験できない夢の世界をメディアを通じてシミュレーションし、その世界に関心を持つということは昔からよくあります。私はかつて『巨人の星』に影響されてソフトボールをしましたし、私の姉は『アタックNo.1』を見てバレーボールをしました。現代ではビデオゲームを通じて、サッカーに興味を持つということもあるでしょう」
 ――ビデオゲームを通じて、ルールも覚えられるのではないですか。
 「あるでしょうね。漠然と試合を見るのではなく、なかに入って体験してみると、サッカーがものすごくリアルになります。ファウルをとられたりオフサイドにひっかかったりすることで知識が身につきます。それにサッカーは、野球と違ってプレーが連続しています。オフサイドトラップでラインを上げるといった駆け引きは、実際にやってみないと分かりにくい。ビデオゲームの効果はサッカーの場合、特に大きい気がします」

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最終更新:5/11(金) 10:12
NIKKEI STYLE

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