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沢村賞の才能秘める広島・岡田明丈。異常に低い被打率を誇る球質とは?

5/14(月) 12:21配信

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 人は未完成なものに、どこか魅力を感じる。この先が気になってしまう……と引き付けられる要因を「ツァイガルニク効果」と呼ぶらしい。

 プロスポーツの世界でも完成された選手のパフォーマンスに胸を躍らせながら、若い選手の才能にさまざまな未来像を描くことがある。

 プロ野球のセ・リーグペナントレースで首位を快走する広島にも、そんな楽しみがある。ファンは完成度の高い打線の攻撃力に心躍らせながら、若い選手が多い投手陣の投球にはやきもきしながらも「その先」の完成形に夢を描いているのではないか。

 その中でも、最高傑作とも言える「未完成」の投手こそ、岡田明丈だろう。5月14日現在、6試合に先発し、4勝0敗、防御率3.40の成績をマークしている。

沢村賞を受賞できるほどの才能を秘める。

 投手主要成績ではパッとせず、先発投手の指標のひとつであるクオリティースタート(投球回6回以上、自責点3点以下)率も67%と高水準なわけでもない。

 特筆すべきは被打率だ。

 セ・リーグの先発投手では唯一の1割台。1割9分6厘にとどめている。ここ最近でシーズン通して被打率を1割台に抑えたセ・リーグの先発投手は、昨季の巨人・菅野智之くらいしかいない。そして、彼は沢村賞を受賞している

 もちろん、岡田も沢村賞を受賞できるほどの可能性は秘めている。ただ、まだ「秘めている」という域は超えない。

 なぜなら、まだ投手として「未完成」だからだ。

独特の球質は「真っすぐが特徴的でカット滑りする」。

 未完成のものゆえ、見る者、見る視点からも、岡田の現在地は異なって見えるようだ。岡田評はさまざま。

 広島の井生崇光スコアラーは得意球の真っすぐを高評価。「真っすぐが特徴的でカット滑りする(カットボールのように変化する)。(右投げなので)いいときは左打者に食い込むように入っていく」。

 そう分析しながら「だからこそ岡田にはもっと真っすぐにこだわってほしい」とさらなる成長を期待した。

 昨季、被打率3割7厘と苦手にしていた左打者(右には2割1分7厘)を今季は1割7分9厘に抑え込んでいる。右にも2割1分1厘と苦にしているわけではない。

 バッテリーを組む会沢翼は「スライダー、チェンジアップがいいと、真っすぐが生かされる。岡田の真っすぐは相手も狙ってくるので、その中でスライダーなどが使えると大きい」と成長を認める。

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最終更新:5/14(月) 15:05
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