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本田の「服従」発言はハリルへの“造反”なのか 二人の間に存在したサッカー観の対立

5/15(火) 21:00配信

Football ZONE web

「服従」という言葉のチョイスと世間の反応に見る、日本の現状

「悔いはないです。ハリルのやるサッカーに全て服従して選ばれていく。そのことのほうが僕は恥ずかしいと思っているので」

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 テレビ番組の中での本田圭佑の発言が、波紋を広げているようだ。見聞きした限りでは、あまり本田に好意的な意見はない。たぶん「服従」という言葉のチョイスが強すぎたのではないかと思う。ただ、そんなに目くじらを立てるような発言でもない。本田の言葉とそれに対する反応を眺めていると、大袈裟に言えば日本の現状が映し出されているような気もした。

 監督の指示に従うのは「服従」ではない。勝つための方策はいろいろあるだろうが、誰かがまとめなければチームプレーにならない。監督はそれを決めるために存在するようなものだから、監督が決めたことに選手が従うのは当たり前である。

 ただし、いざ試合が始まってみたら監督の作戦どおりでは上手くいかないこともある。したがって、そういう場合に選手の判断で作戦を変えるとか、一部変更することもよくあるわけだ。

 プレーが中断したわずかの時間に、選手が監督を捕まえて何か話している場面を時々見かける。想定外のことが起きている時の次善策を話している。

 2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦のデンマーク戦、遠藤保仁は岡田武史監督に当初の守備のやり方ではダメだと伝えている。この時のデンマークは、現在で言うところの「ポジショナルプレー」を行っていて、日本はそれに上手く対処できていなかった。遠藤は変更を一応監督に通告していたわけだ。

いくつかのプレーでイメージが異なっていただけで…

 デンマーク戦の映像を見返してみると、遠藤の修正案も根本的な解決にはなっていないのだが、それでもまだマシにはなった。試合は3-1で日本が勝っている。

 また2004年の欧州選手権では、オランダ代表のクラレンス・セードルフがディック・アドフォカート監督に「どうすんの、これ?」という調子で詰め寄っていたのを覚えている。グループリーグ第2戦のチェコ戦での出来事だ。この時は適切な修正策を出せず、オランダはチェコに2-3で敗れている。

 二つの例は、どちらも相手が想定外のことを仕掛けてきた時の対処法について、選手と監督が話していたケースだ。しかし、試合中に監督と話し合う機会など、ない場合の方が多い。そういう時は選手の判断で、修正を図る必要が出てくるわけだ。

 ベルギー遠征で本田が行ったのはポジショニングの修正ではなく、バヒド・ハリルホジッチ前監督とのサッカー観の対立とも言うべきものだった。監督の「縦に速く」という要求に反して、いくつかの場面で本田は「タメ」を作るプレーを選択していた。とはいえ、監督もなんでもかんでも「縦に速く」というわけではないだろうし、そもそも縦に速くだけなら本田を起用する意味もない。いくつかのプレーで監督と本田のイメージが違っていたというだけの話であり、「造反」と呼ぶのは大袈裟だ。

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最終更新:5/15(火) 23:02
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