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「そだねー」に見る、流行語等を商標登録する場合の注意点

5/15(火) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 平昌オリンピックで一躍流行語となった「そだねー」。カーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ(LS北見)」の選手らが、競技中に発した北海道方言だ。そんな「そだねー」について、北見工業大学生活協同組合(北海道北見市)や、六花亭製菓株式会社(北海道帯広市)が、相次いで商標登録の出願を行い話題となっている*1。商標登録はどのような制度であるのか、また、今後企業が知財戦略(商標戦略)を考えるにあたってどのような点に気をつけたらよいのだろうか。商標の実務に詳しい弁護士法人内田・鮫島法律事務所の杉尾 雄一弁護士・弁理士に聞いた。

● 1 商標登録制度とは

 ――商標とはどのようなものでしょうか。

 商標は、商標法上、商品または役務(サービス)に用いる標章(マーク)と定義されており、「創作物」とは定義されていません。言い換えると、商品等に用いるマークであれば何でもよく、他人が考えたマークを商標登録出願することもできます。

 商標は当初からそれ自体に価値があるのではなく、長年使用し続け、信用が化体することによって、はじめて価値が出てくるものです。よって、使用する商標は何を選択してもよく、基本的には、所定の登録要件を満たす商標であれば、誰でも出願し登録を受けることができます。

 *1 北見工大生協の商標登録出願は、当初、個人の名義で出願がされたものであったことから、公開商標公報では、当該個人の名義の商標登録出願となっていますが、2018年3月26日付で出願人名義変更届がなされ、2018年3月27日時点では「北見工業大学生活協同組合」の名義の商標登録出願とされています。

 ――商標登録とはどういった制度でしょうか。

 商標登録制度は、特許庁に対し、(1)登録を希望する商標と、(2)商標を使用する商品または役務を指定した商標登録出願を行い、特許庁での審査を受け、商標の登録要件を満たした場合に、商標登録を受けることができる制度です。商標登録出願後、特許庁が審査に着手するまで6~8か月ほどかかります(「商標審査着手状況(審査未着手案件)」(2018年4月現在))。

 ――今回、「菓子及びパン」の区分で、六花亭製菓株式会社が出願しているようです。仮に、当該出願に基づく商標登録がされた場合、他の企業は「そだねー」の商標の登録を受けるとはできるのでしょうか。

 (1)登録を希望する商標と、(2)商標を使用する商品または役務のいずれもが同一または類似である場合、先に出願した者のみが商標登録を受けられます(先願主義)。逆に、同一の商標であっても、商標を使用する商品または役務が非類似であれば、商標登録を受けられることとなります。

 商品または役務が類似かどうかは、最終的には、諸事情を考慮し、同一または類似の商標を付した場合に出所混同を生ずるか否かといった基準で判断されます。特許庁の審査段階では、迅速かつ画一的な審査をするために、各商品または役務に類似群コードが割り振られており、類似群コードが同じであれば類似と扱い、類似群コードが異なれば非類似と扱うといった運用がされています(「類似商品・役務審査基準」)。

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