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【密着ルポ】試合当日の戦術分析現場に潜入!テクノロジーが変えた風景

5/17(木) 21:54配信

footballista

セビージャ戦術分析チーム密着ルポ

データを収集・分析するテクノロジーが進化した今、試合の前半に撮影した映像をタグ付けし、ハーフタイムにそれを受け取った監督がタブレットを使って選手に指示を与えることも珍しくなくなった。一刻一秒を争う試合当日の現場では、いったい何が起きているのか?

ここでは、ウナイ・エメリがセビージャを指揮していた当時、彼が抱える分析チームの試合当日の動きに密着した取材記事を特別に公開。

「スペイン人記者の依頼だったら絶対に受けなかった」

アウトサイダーの日本人だからこそ許された貴重なルポから、今この瞬間も進歩を続けている最先端のデータ分析の息吹を感じ取ってほしい。


取材・文 木村浩嗣
協力 ビクトル・マニャス(セビージャ戦術アナリスト/当時)

2015年10月24日、第9節ヘタフェ戦当日

 試合開始20分前、セビージャの戦術アナリスト、ビクトル・マニャスは三脚付きのカメラを抱えて現れた。指定席は2階にある記者席の中央最上段。グラウンド全体が見渡せる席で、周囲にはジャーナリストが座っているが、見慣れた光景に特に関心を寄せる者もいない。まず三脚の付いた広角カメラを設置し、鞄から2台目のハンディカメラを取り出して机の上に小型三脚で固定した。

 広角カメラの方は、敵と味方の両方の守備ラインを捉えるためのものであり、ハンディカメラの方は味方のGKにフォーカスされる。広角カメラは戦術分析用、ハンディカメラはGKのテクニック分析用と対戦相手に関係なく決められており、ウナイ・エメリ監督から“今日はこの部分を撮ってくれ”といった注文が入ることはない。ビクトルはエメリのアルメリア監督時代の1年間、セビージャ監督就任以来の2年間ずっとアナリストを任されており、全幅の信頼を寄せられているのだ。

 カメラの設置が終わると、パソコンを開けコードを繋ぎ始める。パソコンと接続されるのは広角カメラだけで、ハンディカメラで録画した映像は後日、GKの練習用に使われる。戦術分析に使われるプログラム「Nacsport」は重くて何度かの再起動の後にやっと立ち上がり、カメラの映像が読み込み可能になる。「Nacsport」が起動せず仕事が台なしになったこともあるらしい。

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最終更新:5/17(木) 21:57
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