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関学アメフト部「悲劇の歴史」を繰り返すな、卑劣なプレーは永久追放を

5/17(木) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 関西学院大学と日本大学によるアメフト定期戦で日大選手が卑劣な反則プレーを行い、関学選手を負傷退場させ、その後もさらに反則行為を繰り返し退場となった事件。連日メディアでも大きく取り上げられ、鈴木大地スポーツ庁長官も激怒していると聞くが、アメフトというスポーツは日本ではまだまだマイナーな競技だ。基本的なルールもよく分かってないという人のほうが多いと思う。だから、日大選手の今回のプレーがどれほど危険な行為だったか、ピンと来る人も少ないと思う。

 しかしそこが分からないと、反則行為を犯した日大選手や、その選手に指示をしたといわれる監督の罪がどれほど重いか理解できない。また、どこのメディアも伝えていないが、関学アメフト部には、ある「悲劇の歴史」がある。そこを知らなければ、関学アメフト部にとって今回の被害がどのような意味を持つかも理解できない。そこで今回は、日大選手の反則行為の重大さ、関学にとっての意味を伝えるとともに、今回の一件が象徴する日本社会の問題点について言及する。

● チームの司令塔を狙い撃ち あまりに卑劣な反則行為

 まず、アメフトというスポーツをよくご存じない人も多いと思うので、簡単に説明しておく。アメフトというのは、簡単に言えば陣取りゲームだ。プレーや攻撃(オフェンス)側と防御(ディフェンス)側に分かれ、オフェンス側が攻撃する。パスやランニングによってボールを前に進め、相手側のエンドゾーンまだ進めばタッチダウンで得点だ。タッチダウンするほか、パスを途中でカットされたり(インターセプト)、4回の攻撃で10ヤード以上進めない場合は攻守が入れ替わる。選手交代に制限がないので、通常はオフェンス・チームとディフェンス・チームが存在し、攻撃時にはオフェンス・チーム、防御時にはディフェンス・チームがプレーする。

 今回、日大選手が反則行為を仕掛けた関学選手のポジションはクォーターバック(QB)だが、これは重要な意味を持つ。QBはアメフトにおける攻撃の要だ。アメフトの攻撃には数多くのフォーメーションがあり、次の攻撃でどのフォーメーションでいくかを決めるのは基本的にはコーチだが、他のプレイヤーに伝えるほか、状況によってはフォーメーションを自分で決めることもQBの重要な役目だ。

 プレーは、センターと呼ばれる選手がQBにボールをパスするところから始まる。そのタイミングを取るのもQBの仕事で、ボールを受けたQBはフォーメーション通りに、あるいはその時の状況に合わせて、他の選手にパスを出すパスプレーか、走り込んできた自軍の選手にボールを手渡し(ハンドオフ)によるランプレーを行い、ボールを前に進める。言ってみれば、攻撃のすべてを差配するのがQBの仕事で、だから「司令塔」と称される。チームの攻撃力はQBの力量にかかっていると言っても過言ではない。だからこそ、今回の日大選手の反則行為は悪質なのだ。

 反則した日大選手は、QBを狙い撃ちしている。最初の反則では先発出場のQBに違反タックルし負傷欠場させ、次には交代したQBに対してもさらに違反タックルを繰り返している。QBを潰せば攻撃力が激減することは明らかで、だから狙ったわけだが、その行為はあまりに卑劣だ。

 それがどれくらい卑劣かについても、感覚的によく分からない人も多いと思う。これは、たとえば野球で言えば、相手チームのエースピッチャーが打席に立った時に敬遠で歩かせ、一塁ベースに向かっているピッチャーの後ろから、後頭部をめがけて思いっきりボールを投げてぶつけ、負傷退場させるような行為だ。高校野球でもプロ野球でも、このような行為があれば、投げた選手の即刻退場はもちろん、試合自体も即座に没収だろう。それくらい、あり得ない行為なのだ。

 どのようなスポーツにも、絶対にやってはいけない行為がある。反則技があたりまえのプロレスにさえ、そのような行為はある。たとえば、相手の顔面をキックするという行為は、あまりに危険で禁止されている。昔、前田日明選手が試合中に長州力選手の顔面に蹴りを入れた事件があった。これは大きな問題となり、前田選手は団体を解雇処分された。格闘技のような危険な競技だからこそ、やってはいけない行為というものがあるのだ。

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