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吉本が赤字の『沖縄国際映画祭』をやめない理由

5/21(月) 7:03配信

FRIDAY

 今年で10周年を迎えた『沖縄国際映画祭』。その閉会式で来年も開催されることが発表された。

 3月に開かれた概要発表会見で、吉本興業の大崎洋社長は「10年間、ずっと赤字で続けてきたが、少しずつ減ってきている」と自虐コメントで笑わせたが、吉本関係者が笑えない内情を明かす。

「赤字が減ってきているのは、単に映画祭の規模を縮小したから。当初は2000人を収容できる野外ステージを設置するなど大々的に開催していましたが、観客が4~5人と、出演している芸人より少ないという悲惨なステージも珍しくなく、見直しが進められたのです。いまではメインステージでも500人程度の規模。それでも赤字を垂れ流しているほうが問題だと思いますよ……」

 打ち合わせのために社員を全国から集めたり、深夜0時から会議をしたり、一日に2回、沖縄入りする芸人がいたり――『沖縄国際映画祭』による吉本の負担が大きいことは、業界ではよく知られた話。大崎社長は『沖縄タイムス』の取材に、「6回目までは3億6000万~4億8000万円の幅で毎回赤字。ひどい時は約6億円の赤字」だったと語っている。そこまでして映画祭を続ける理由は?

「松本人志監督の映画『大日本人』が『カンヌ国際映画祭』で上映された際、現地入りした大崎社長が『あんなん、日本でもやりたいなぁ』と言ったのが“起源“とされていますが、『沖縄国際映画祭』がスタートしたのは、沖縄がカジノ誘致を始めた時期。メインスポンサーであるパチンコメーカー『京楽』と共に、カジノ事業に食い込むために沖縄に目をつけた――という説が濃厚です。大崎社長が地元の名士たちと仲良くなりすぎたため、引くに引けなくなったという話もありますけど」(スポーツ紙芸能担当記者)

 吉本が沖縄など地方に目を向けているのには、こんな側面もある。

「大崎社長の鶴の一声でスタートした『よしもと住みます芸人』プロジェクトが、成果を上げているんですよ。吉本内でも『社長が唯一、当てた企画』と揶揄(やゆ)されるぐらい」(前出・吉本関係者)

 総勢6000人いると言われる所属芸人たちを地方に派遣。地方自治体とパイプを作ることで、さまざまな事業に食い込めるというメリットがあるのだ。

「目下の目標は’25年の開催予定で誘致している大阪万博。『日本万国博覧会誘致委員会』アンバサダーに『ダウンタウン』をブッキングするなど、相当力を入れています。テレビ業界のギャラは下がる一方。新しいビジネスにも目を向けたいのでしょう」(キー局プロデューサー)

 全国制覇という野望を成功させる、いわば最初の足掛かりが『沖縄国際映画祭』だったのだが――。

「年々集客数が落ちているため、吉本以外の俳優たちがなかなか出たがらない。今年も開催1ヵ月前まで、企画や出演者の選定等でドタバタしていたそうです」(映画会社関係者)

 地方ビジネスで大儲けする前に、映画祭に足元をすくわれなければいいが。

PHOTO:木村一樹

最終更新:5/21(月) 7:03
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