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活動続くキラウエア火山、巨大津波が到達する心配は?専門家に聞いた

5/21(月) 18:40配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

ネットで飛び交ううわさの真相

 世界有数の活火山である米ハワイ島のキラウエア火山で、活発な火山活動が続いている。予兆となるいくつかの現象に続き、17日にはついに山頂で爆発的な噴火が発生した。米国地質調査所(USGS)の専門家は、周辺地域への降灰を予想し、住民に警戒を呼びかけている。

ギャラリー:まるで火の龍!キラウエア火山の溶岩 写真10点

 火口内に多くの岩石が落下して蓋を作り、この蓋が蒸気を抑え込むと、圧力が高まって爆発し、岩石や火山灰を撒き散らすことになる。キラウエアの前回の爆発的噴火は1924年で、直径1メートルほどの噴石もあった。

 科学者と住民は、今回も同じような事態になるのではと心配している。溶岩流や有毒ガスといった重大な危険から身を守るため、ハワイ島からはすでに2000人以上の住民が避難している。

 そんななか、インターネット上では、これから起こりうる事態について多くのうわさが噴出している。以下では、ネットで話題になっているシナリオをいくつか紹介し、それらの信ぴょう性について考えてみた。

連鎖反応と環太平洋火山帯

 多くの人が心配しているのは、キラウエア火山の噴火が連鎖反応を引き起こし、近くにあるほかの火山も噴火するのではないかということだ。

 火山学者のジャニーン・クリップナー氏にこの点を質問したところ、「そんなことはまずありません」という答えが返ってきた。「1つの火山の活動がほかの火山の活動を誘発することは、きわめてまれです」

 非火山性地震なら同じ断層線に沿って地震が誘発されるおそれがあるが、火山は別々のマグマだまりからマグマを供給されている。ハワイの島々は、「ホットスポット」と呼ばれるマグマ活動が起きる場所の上に、プレートの移動にともなって順番に形成されてきたと考えられている。現在、そのホットスポットにいちばん近いところにあるのがハワイ島で、キラウエアをはじめ、最も活動的な火山がある。

 一部のニュースは、キラウエア火山が環太平洋火山帯(プレート境界に沿って太平洋をぐるりと取り巻く火山帯で、アジアから北米西海岸に達する)の中にあるとしているが、それは違う。地図を見れば、太平洋の真ん中にあるハワイ諸島が環太平洋火山帯からどれほど遠いかがすぐにわかる。クリップナー氏は、ハワイでどんなに爆発的な火山活動が起きたとしても、太平洋沿岸の火山噴火を誘発することはないと言う。

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