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逆回りの珍しい小惑星、「太陽系外から来た」説が浮上

5/24(木) 18:27配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

木星とほぼ同じ軌道だが逆回り、異論も続出

 太陽系を上から見下ろせたなら、太陽の周りを回る天体の99.9%以上が反時計回りとわかるだろう。太陽系の惑星や小惑星を生み出した、原始のちりとガスの円盤から始まった動きだ。

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 だがおかしなことに、現在わかっている77万9000を超す小惑星のうち、少なくとも95個が大半の天体と逆向き(時計回り)に公転している。これについて、2人の研究者が5月21日付けの英王立天文学会誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters」に、新たな主張を発表した。こうした小惑星の1つ「2015 BZ509」が逆行しているのは、まったく別の惑星系から移ってきたからだという。

「研究を始めたのは、この小惑星が太陽系外から来た恒星間天体だと思っていたからではありません」。フランス、コートダジュール天文台の天文学者、ファティ・ナムニ氏はこう語る。ナムニ氏と、ブラジル、サンパウロ州立大学の研究者、エレナ・モライス氏はむしろ、太陽系の形成過程を明らかにするため、太陽の周りを逆に回る天体の研究に何年も費やしてきた。

 論文の中でナムニ氏とモライス氏は、BZ509は誕生から間もないころに太陽系に加わり、木星が太陽を回るのとほとんど同じ軌道に収まったと述べる。もしそうならBZ509は、昨年太陽系に接近した恒星間小惑星オウムアムアと同類かもしれないという。

 だがこの研究は、BZ509が消去法で結論に至っているため、外部の専門家たちから批判が出ている。

「他がすべてあり得ないと述べることで自分たちの主張を支えるのは、とても極端です。特に、動的モデリングの手法がまったく用いられていないということもあります」。今回の研究に関わっていない、米サウスウエスト研究所の科学者ハル・レビソン氏はこう指摘する。

100万個のクローンでシミュレーション

 BZ509が宇宙の変わり者だということには、誰も異論はない。

 ナムニ氏とモライス氏がこの小惑星に注目したのは、太陽の周囲を逆に回っているだけではなく、軌道が木星のそれとほぼ同じだからでもある。太陽系最大の惑星とチキンレースを繰り広げていることがわかった天体は、これが初めてだ。軌道が綱渡りのような動きをしているおかげで、BZ509は維持されている。木星は、12年かかる公転の間にBZ509を重力で2度強く引っ張るが、この2回が互いに相殺して小惑星を安定させている。

「でこぼこ道を走るトラックのようなものです。こぶにぶつかると、また別のこぶにぶつかり、はね返って本来の進路に戻るのに似ています」と話すのは、カナダ、アサバスカ大学の天文学者マーティン・コナーズ氏だ。コナーズ氏は今回の研究には参加していない。

 コナーズ氏と同僚の研究者たちは2017年、コンピューター・シミュレーションを使い、BZ509の軌道は過去100万年にわたって安定していたと明らかにした。この発見に、ナムニ氏とモライス氏は驚いた。それ以前に2人が行った研究で、BZ509のような軌道は1万年程度しかもたないことが示唆されていたからだ。

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