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中日のカリビアンはなぜ活躍できる。チーム内の国境を越えたファミリア。

5/24(木) 8:01配信

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 5月19日の中日-阪神戦(ナゴヤドーム)では、3人のカリビアンがお立ち台を占拠した。

 オネルキ・ガルシア。来日1年目の左腕は、阪神打線を7イニング1失点に封じ、チームトップの5勝目を挙げた。

 ダヤン・ビシエド。中日が誇る4番打者は、1点を追う6回の好機に逆転の二塁打を放った。

 スティーブン・モヤ。5番で起用された身長201センチ、体重117キロの大型打者は、ビシエドの直後に適時打を放った。

 さながらカリビアン・デー。そしてこの勝利は、ドラゴンズの再生は彼ら外国人抜きにしてあり得ないことを象徴している。

ガルシアとビシエドは亡命キューバ人。

 ロッカールームでは飛び交うスペイン語。だが、横浜スタジアムのロッカールームのように大音量の音楽がかかり、騒ぎ立てたりはしない。取材を受ければ小さな声で誠実に話し、増えた日本語のレパートリーがあれば慎ましく披露する。しかし、同じ言語を話しながら、彼らの人生は少しばかり複雑で、多岐にわたっている。

 ガルシア。亡命キューバ人。亡命先がアメリカだったためにMLBドラフトによって指名され、ドジャース入り。ロイヤルズを含めて計5試合のメジャー登板歴があるが、未勝利に終わっている。

 ビシエド。同じく亡命キューバ人。ホワイトソックスと4年1000万ドルの契約を結ぶなど期待値も高く、通算66本塁打を放つも退団した。

 昨年は失敗したが、今年は念願の米国市民権を取得。「自分の人生でも非常に重要なこと」に理解を示し、一時離脱を快諾した球団に深く感謝している。

 モヤ。プエルトリコ生まれのドミニカ共和国育ち。メジャー通算51試合で5本塁打を放っている。

ひげを蓄え、首位打者争うアルモンテ。

 中日を支えているのはこの3人だけではない。

 ソイロ・アルモンテ。ご存じひげ男は生まれも育ちもドミニカ共和国だ。自慢のひげは「1日に3回シャンプー&トリートメントする」という衝撃の告白も。開幕から左右両打席ともに好調を維持し、打率.350以上の高水準で首位打者を争っている。

 ライデル・マルティネス。キューバ政府からの正式ルートで派遣された21歳の右投手。昨季は育成選手契約だったが、著しい成長を見せ4月に支配下登録を勝ち取った。変化球の精度こそまだ低いが、150キロのパワーピッチは原石の魅力を感じさせる。5月15日の広島戦(ナゴヤドーム)では見事に来日初勝利を挙げた。

 アリエル・マルティネス。同じくキューバ正式ルートで入団した21歳の育成選手。外国人の捕手という難しい立場だが、まずは二軍で経験値を高めている。

 実は最も期待された新外国人としてメジャー通算51勝右腕のディロン・ジーがいた。アメリカ人で母国語を英語とする唯一の存在だったが、血行障害を発症し、帰国、手術。今季中の復帰は絶望視されている。

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最終更新:5/24(木) 8:01
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