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東芝(6502)が4年ぶり黒字で最高益更新も半導体メモリ事業の売却を止めない不思議

5/25(金) 21:00配信

ダイヤモンド・ザイ

 東芝が2018年3月期の決算短信を珍しく期限内に発表しました。4年ぶりの黒字で7年ぶりに最高益を更新しましたが、稼ぎ頭の半導体メモリ事業の売却が決まるなど先行きが明るくなったとは言えない状況です。2015年5月に要領を得ないIRから「不適切会計」の闇にいち早く気づいた刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が、2018年3月期決算から東芝のいまとこれからを読み解きます。

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半導体事業が稼ぎ出した4675億円はタダで売却先にくれてやるつもり!?

 東芝が発表した2018年3月期の決算短信では、売上高3兆9475億円(前年比2.4%減)、営業利益640億円(同21.9%減)、最終純利益8040億円(前年は9656億円の赤字)でした。

 売却予定の半導体メモリー事業の営業利益4675億円は「非継続事業」として除外されています。4675億円(税金がかかるのでまるまる全部ではありませんが)のキャッシュは一体どこに消えたのでしょう? 

 連結キャッシュフロー計算書を見ても、営業活動によるキャシュフローは416億円しかなく、4675億円は半導体メモリー事業会社に留保されていることがわかります。

 半導体メモリー事業会社は、分社化された2017年4月以降の1年間で稼ぎ出した4675億円のキャッシュ(あるいはその資金で新たに投資された設備)を持ったまま、ベイン・キャピタルを中心とした日米韓連合に売却される可能性が高いということです。それなのに4675億円分が当初の売却価格に上乗せされたという話は聞きません。

 最終利益が8040億円もの金額に達した理由は、原子力事業の子会社だった米ウェスチングハウスの取得金額全額が「チャプター11」(連邦倒産法第11条)で損失と認められ、税負担が4458億円も軽減されたことが大きかったようです。

 そして5月17日には中国政府による独占禁止法に係る審査が通り、半導体メモリー事業会社は6月1日に売却されることになりました。

 そもそも東芝の稼ぎ頭である半導体事業の売却は「2018年3月末までに債務超過を解消できなければ上場廃止」になる事態を回避するための“苦肉の策”でした。その債務超過は6000億円の第三者割当増資で解消されたにもかかわらず、売却中止が検討されることはなかったようです。

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