ここから本文です

今季最高の奇跡を起こした海外組。豊川雄太とマケレレ監督の信頼関係。

5/25(金) 10:31配信

Number Web

 今季、欧州組の日本人選手で最もチームを救ったのは、ベルギーリーグ1部オイペンでプレーする豊川雄太だろう。

【動画】W杯の秘密兵器! 久保裕也の今季10点目。

 2018年3月11日、ベルギーリーグ・レギュラーシーズン最終のムスクロン戦の57分、クロード・マケレレ監督から「ゴールを取ってこい。相手GKの前へ飛び出すんだ。自分の持っている力をすべて出せ」と指示を受けてピッチに立った豊川は、73分の先制ゴールを皮切りに3ゴール1アシストという大活躍を見せた。

 チームは4-0で勝利し、得失点差「1」でメヘレンをかわして最下位から脱出。奇跡の1部残留を果たしたのだ。

「このドラマ、短編すぎ(笑)」

 「俺がピッチに入った時は0-0でした。このままだったらオイペンは完全に終わりでした。1点目を取った時にスタジアムがワーッとなって、チームも『まだ行けるぞ! 』みたいになったのを感じました。自分が2点目を取って3-0となって、コーチから『もう1点取りに行け。行くんだ! 』と言われました。それで4-0。ちょっと出来過ぎで怖いですよね。たった17分間のこのドラマ。短編すぎるでしょう(笑)」

 1部残留が決まった瞬間、歓喜のサポーターがピッチになだれ込み、オイペンの英雄となった豊川を胴上げし、さらに肩車までした。

 「ヤバイ、ヤバイ。ヤバかったですね。胴上げされた時は『頼むから落とさないでくれ』『コイツらマジ酔っているから落としそうだな』と思って『頼むからストーップ! 』って何回も言いました。だけど、肩車された時はとりあえず嬉しいという感じ。みんなが盛り上がっているなと思いました」

 周りの興奮に対して、どこか俯瞰的に見ていたかのようにも感じる豊川のコメントに、「自身は盛り上がらなかったの?」と尋ねると「盛り上がりましたよ。でも、周りが盛り上がり過ぎていて、限度を超えちゃっていた」と笑った。

「日本人だろ? 出来んのかよ」

 小野伸二がフェイエノールトに来た頃、オランダでは「日本人にサッカーが出来るのか」と言われていたが、その後の活躍で「日本人のMFなら大丈夫」という評価が生まれた。それでも堂安律はフローニンゲンで「舐められている」と感じ、結果を出すことで周りを黙らせたという。

 「俺も最初はそんな感じでしたよ。『日本人だろ? 出来んのかよ』って。別に言われたわけではないですが、そういう雰囲気というのを敏感に感じました。

 日本人はみんな、どっかでそう感じていると思いますよ。だから変えていくしかない。俺はその悔しさが原動力になった。とりあえず練習で結果を出すしかない――となって、練習のミニゲームで点を取ったんです。そしたら、周りが『お前はめっちゃ点取るな』と言ってくるんですよ。そこから出場機会を得ることが出来たんです」

 入団後ベンチ入りが3回、ベンチ外が2回と、5試合続けて出場機会がなかった時は「悔しい。早く練習来い!」と思っていたという。

1/3ページ

最終更新:5/25(金) 17:01
Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

954・955・956号
6月14日発売

特別定価600円(税込)

日本代表、未来を懸けて。

【独占インタビュー】 西野朗「新たなページをめくるために」
【エースインタビュー】 ファルカオ/マネ/レバンドフスキ