ここから本文です

女性のがん死1位 命を守る40代からの大腸がん対策

5/26(土) 10:12配信

NIKKEI STYLE

 罹患(りかん)数2位、死亡数1位と、女性にとって最も身近ながんの1つが、大腸がん。特に40代以降はリスクが急増する。大腸がんって、どんな病気? 命を落とさないために、どうしたらいい? 東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授に話を聞いた。

■女性のがん死トップ40歳からリスク急増

 女性のがんでまず思い浮かべるのは乳がんだが、大腸がんも忘れてはいけない。この40年ほどで患者数は約7倍に増加。女性の罹患数は乳がんに次いで2位、死亡数に至っては1位だ。なぜこんなに増えているのか。
 「理由は大きく3つ挙げられます。1つは日本が『先進国』になったから。大腸がんの発症には高脂肪食や肥満、運動不足など、先進国特有の生活習慣が関係しています。2つめは高齢者の増加。大腸がんは40歳以降、加齢とともに罹患率が急増します。そして3つめが、診断される人が増えたから。がん検診や内視鏡検査などで、以前よりがんを見つけやすくなったことも大きいですね」。東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授はこう説明する。

 大腸がんは大腸の粘膜に発生するがんのこと。全長1.5~2mの大腸は結腸と直腸からなり、がんの約7割は肛門に近い直腸とS状結腸に発生している。

 「直腸がんだと便に赤い血が混じるので、痔と間違えやすい。S状結腸がんでは、赤黒い血便や粘液と血液が混じった粘血便が出ることが多いです。大腸がんの症状には、一般に便に血がつく血便や排便時の出血、便秘になる、便秘と下痢を繰り返す、スッキリ出ない、便が細くなる、などがありますが、これらの症状が現れるのはがんがかなり大きくなってから。早期はほぼ症状がなく、検診などで見つかることがほとんどです。

 なお、女性は男性より結腸がんの割合が多く、高齢になるほど増えてきます。お腹の右側の盲腸・上行結腸は肛門から遠く、進行しても出血や排便異常などの症状が現れにくいので、発見が遅れがちです」
 女性のがんには、女性ホルモンが大きく関わるがんと加齢によるがんがある。前者の代表が乳がん、そして後者が大腸がんだ。乳がんの罹患率は40~60代でピークを迎えるが、大腸がんは逆に40代から右肩上がりに増えていく。

 「大腸がんは生活習慣と遺伝的要因の両方が密接に関係しています。生活習慣に関わるがんは、年齢が上がるほどリスクが上がるもの。いわば長寿の代償です。自治体の大腸がん検診が始まる40歳からが、まさに『大腸がん年齢』なのです。
 一方で、少数ながら40歳未満で発症する人も。この場合は遺伝的要因が大きいと考えられます。例えば大腸がんになった血縁者がいる人は、そうでない人より発症リスクが2~3倍高くなるとされます。心当たりのある人は40歳より前から定期的な検診を受けてほしいですね」
 予防は可能だろうか? 「肥満や過度の飲酒は大腸がんのリスクを増やし、運動はリスクを減らすといわれています。ただし、どれだけ生活習慣に気をつけていても、なるときはなる。つまり、大腸がんを完璧に防ぐことはできないのです。だからこそ大事なのは早く見つけて治すこと。これに尽きます!」。

1/2ページ

最終更新:5/26(土) 10:12
NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。