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日大学長「口だけ謝罪会見」の絶望的お粗末さ

5/26(土) 5:00配信

東洋経済オンライン

本記事は隔週火曜日に「コミュニケーション力」に関するコラムを書いている岡本純子さんによる番外編コラムです。
 日大アメフト部の反則問題に日本中が釘付けだ。メディアの報道も過熱しており、多くの論者が日大側の対応のまずさを指摘している。

筆者も23日に行われたアメフト部の内田正人前監督、井上奨コーチの会見を受け、25日、スポーツの指導現場におけるコミュニケーション不全という観点からまとめた記事を書き、この「炎上」の根本にある上意下達的な「絶対服従」文化の危うさを指摘した。

 その後も日大は、次々に「燃料」を投下してくる。同日午後に投じられた新たな燃料は、15時30分から2時間ほど行われた大塚吉兵衛学長のありえない会見である。筆者はついつい、その様子を見てしまった。

■「謝罪」のふりをしているだけ

 まず、声を大にして言いたい。「日大さん、いい加減、危機管理の専門家を入れて、まっとうな対応をしていただけないでしょうか」と。炎上状態が長引き、国民の怒りの温度計が振り切れそうな勢いだ。

 この会見の何がひどいのかと言えば、そもそも、謝っているふりをしているが、ちっとも謝っていないことだ。「真の謝罪」とは何かを知らない、ということだろう。

 真の謝罪はその表情に、手に、足先に身体全体に「申し訳ない」「とんでもないことをしてしまった」という気持ちがみなぎっていなければならない。言葉では散々、責任を感じているといいながら、身体はまったく違うことを言っている。まずファッションが、紫色の水玉ドット柄のネクタイであり謝罪のときの服装ではない。

質疑応答では、時間が経つほどに緊張感を失っていくのが手に取るようにわかった。椅子にもたれかかる。落ち着きなく体を動かす。髪の毛を押さえてみせる。挙げ句に、時々笑顔までこぼれるようになり、最後のほうでは破顔して笑うようなシーンまであった。見る者は「何にも悪いと感じていない」と直感する。過去の記事でも紹介しているが、こうした「言行不一致」な謝罪が最も人を不愉快にするのである。

 ほかにも、危機管理の会見の絶対タブーを無数に冒していた。例えば、質問した記者に「あなた、話、聞いていなかったんですか?」と問いなおすなど、NG行為の最たるものだ。

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