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『ピンポン』『スラムダンク』『ルーキーズ』……『コンフィデンスマンJP』で“スポ根ネタ”炸裂

6/5(火) 6:49配信

リアルサウンド

 『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)第9話のタイトルは、「スポーツ編」。ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人の信用詐欺師が、IT企業の社長にして若き億万長者・桂公彦(小池徹平)をターゲットにし、『ピンポン』『スラムダンク』『ルーキーズ』など、まさかのスポ根作品パロディのオンパレードで大きな反響を呼んだ。

最終話は、ボクちゃんが去った1年後を描く【写真】

 この桂とは、人気アプリ「モスモス」を開発した株式会社モスモスの代表で、その傍ら、プロスポーツクラブを買収してはクラブに執拗に干渉し、チームを崩壊させてきた。そんな中、応援していた野球チームとサッカーチームを潰されたちょび髭(瀧川英次)が、ダー子らに助けを求めてきたのだ。

 そんなやりたい放題のワンマン社長を演じる小池は、「ジュノンスーパーボーイコンテスト」でグランプリを受賞。15歳のときに俳優デビューし、すでに人生の半分を芸能界で過ごしてきた。現在32歳の彼だが、デビュー当初から輝きを放っていたベビーフェイスは衰えることなく、この桂というキャラクターにも活きている。顔立ちが優しげであるだけに、性格の歪み具合が余計に目立つのだ。役の個性を芝居で見せ、その美貌でドラマに華を添える。まさに見事な好演であった。

 桂が次に手を出すスポーツは卓球だと踏んだダー子は、ボクちゃんと2人で中国人選手に扮し、買収を持ちかける。しかし桂の反応はない。そこでダー子は五十嵐(小手伸也)から、桂がプロバスケットボールチームを狙っているという情報を得る。そこで彼女らは「熱海チーターズ」なるフザけたネーミングの架空のバスケチームを結成する。

 それにしても今回は大いに笑った。卓球に関しては、本作と同じく古沢良太が脚本を務めた『ミックス。』(2017)ネタが炸裂。ダー子が扮した中国人選手のマッシュヘアーは、主役の新垣結衣が演じた富田多満子と似ていないこともないような……いや完全に『ピンポン』の主人公・ペコである。そして思えば『ミックス。』では、蒼井優と森崎博之コンビが中国人卓球選手を演じていた。それ以上に大きな注目を集めたのは、ダー子&ボクちゃんのミックスコンビが加入するチーム「東京ジェッツ」に、実際にプロ卓球選手として世界的に活躍する平野美宇が鴨井ミワ役として登場したことだ。もちろん平野はドラマ初出演にして、演技初挑戦。あどけない演技で大いにお茶の間を沸かせつつ華麗なプレーを披露した平野は、今回の盛り上がりの前半部分を担っていた。

 その後、ダー子は桂が節税対策のために“弱小チーム”をこそ欲していると知る。さらに、幼少期から運動が大の苦手だった桂が、スポーツを憎んでいることを見抜くのだ。ホームレス同様の生活を送っていた元日本代表候補の半原敦(和田聰宏)をはじめとし、それらしい選手をテキトーにスカウトし結成された「熱海チーターズ」。まともな試合展開さえ見せてはくれず、連戦連敗に桂は気分を良くするが、当の選手たちの間には、強い絆と熱い闘志が芽生えていく。

 たしかに“胸アツ”な展開の連続ではあったものの、ドラマ『スクール☆ウォーズ』の主題歌「ヒーロー」が流れ、控室で選手たちが個々の想いをぶつける場面では、ドラマ『ルーキーズ』(TBS系)よろしくGReeeeNの「キセキ」が流れたり、「バスケがしたいです」や「左手はそえるだけ」など『スラムダンク』の名言が飛び交い、さらには本作と同じく月9枠だった『ブザービート』(2009)や『黒子のバスケ』を彷彿とさせる瞬間があったりと、爆笑必至。しかし彼らのひたむきな姿に心を動かされていく桂には、観ていて納得なのであった。

 まさかまさかの映画化決定の発表もあった『コンフィデンスマンJP』(ウソの連続に、これすら怪しく思えてくる……)。次週は早くも最終話であるが、どんな小ネタが飛び出してくるのか。最後の最後まで、そして隅々まで見逃せない。

折田侑駿

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