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高山病のリスクなし! 平地での「高地トレーニング」でミトコンドリアレベルから若返りを促進

6/13(水) 18:25配信

ニューズウィーク日本版

室内に山岳地のような低酸素環境を実現。息苦しさもなく、効果は4倍!?

夏目前、薄着になるにしたがって、どうしても気になるのがボディライン。運動しなければいけないのは分かっていても、仕事や育児に時間をとられ、なかなか手が付けられないというのが大多数の本音だろう。

「死のない肉」クォーン

今、そんな忙しい現代人に救世主となりえる、時短トレーニングの新たな分野が注目されている。ハイアルチテュード(高地)トレーニングだ。

アスリートのトレーニング法というイメージが強いかもしれないが、短時間の運動で通常の何倍もの効果を得られると、オーストラリアをはじめとする欧米諸国でブームを巻き起こしている。近年、わざわざ山岳地に足を運ばずとも、室内に高地と同じような環境を整える設備が普及したことがブームを後押ししている。

日本でも本格的に広まり始め、都内には専門スタジオが続々とオープン。今やジュニア向けのプログラムも作られるほど、その効果と可能性に期待が寄せられている。

30分歩くだけで、2時間分の運動に匹敵

普段、我々が暮らしている生活環境の酸素濃度が100%だとすると、富士山の5~6合目にあたる標高2500メートルの山地では、その75%まで濃度が落ち込むとされる。

そんな低酸素の環境では、血中の酸素濃度も低くなり、細胞レベルまで飢餓状態に。その状態で運動をすることで、ミトコンドリアが自発的に酸素を取り込もうとする力に目覚め、活性化。おのずと代謝のいい身体に肉体改造されるという仕組みだ。

室内では、部屋の窒素濃度を上げて酸素濃度を下げることで、低酸素環境を再現。気圧は常圧のままなので、息苦しさを感じることもなく、高山病になるリスクもない。

そんな状況下においては、ランニングマシンで30分歩くだけでも通常の2時間分の運動に匹敵するという。約4倍の効果が得られるというわけだ。

筋力トレーニングの場合も同様だ。実際に、低酸素環境における筋力トレーニングは、主観による運動強度の差は、正常の酸素環境下と同等であるにも関わらず、筋肉断面積量は4倍以上の効果を示し、筋力は低酸素環境下の方が早く増加を始めるといった検証結果を示す論文も出ている。

さらにミトコンドリアの活性化は、運動後も約4日間持続するとされ、その間は脂肪燃焼しやすい状態が継続するという。つまり、週1日たった30分歩くだけで、無理なくダイエットにつながるというわけだ。

他にもメリットは多い。実感できる効果として、肌の新陳代謝が活発になることで美肌になる、冷え症の改善、睡眠の質が高まる、傷の回復が早まる......といった声もあるものの、健康効果に関連づけられるデータは今のところは出ておらず、今後の研究課題だ。とはいえ、時間的に最小限の投資で最大の効果が期待できるのなら、チャレンジしてみる価値はありそうだ。

有元えり

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