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新知事でも「柏崎刈羽再稼働」が難しい理由

6/13(水) 5:00配信

東洋経済オンライン

 6月10日に行われた新潟県知事選挙で、自民・公明両党が支持した元海上保安庁次長の花角英世氏(60)が初当選を果たした。立憲、国民、共産、自由、社民推薦の元県議・池田千賀子氏(57)は「原発ゼロ」を掲げて有権者に支持を訴えたが、約3万7000票の差で及ばなかった。

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 もっとも、花角氏が勝利したことにより、東京電力ホールディングスが目指してきた柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が前進すると見るのは早計だ。花角氏は選挙公約に「脱原発社会に全力を挙げる」と明記しており、柏崎刈羽原発については「3つの検証(①福島原発事故の原因、②健康・生活への影響、③避難計画)をしっかり進め、その検証結果が出るまで再稼働の議論はしない。それには2~3年かかる」と述べている。また、再稼働の是非の判断に際して「(県民に)信を問う」としている。

■再稼働問題は次の知事選に持ち越し

 柏崎市内で池田氏の選対副本部長を務めた高橋新一氏(元柏崎市議)は、「まさに抱きつき戦術。花角氏は当方(=池田陣営)と同じような主張をしてきた。相手が一枚上手だった」と悔しがる。花角氏は新潟県副知事など行政経験の豊富さを強調する一方、「原発再稼働は争点とはならない」(澤野修・新潟県議会議員=自民党)ようにした。言い換えれば、柏崎刈羽原発の再稼働問題は次の県知事選に持ち越しとなった。

 東電は今回の選挙結果を踏まえ、「引き続き柏崎刈羽原子力発電所の安全対策等に取り組み、花角新知事をはじめ県民の皆様に丁寧にご説明するとともに、新潟県が進めている3つの検証にしっかりと協力してまいります」と述べている。

 福島原発事故の賠償・廃炉費用が20兆円以上に達すると想定され、うち16兆円の負担を求められている東電は、柏崎刈羽原発の再稼働を是が非でも実現させたい。2017年5月にまとまった現在の再建計画によれば、2基稼働した場合の収益改善効果は最大で1800億円に上るとされている。

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