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セネガルの武器はスピードと突破力だけじゃない。アフリカらしからぬ「ポリバレンス」なスタイルとは

6/14(木) 20:29配信

footballista

ウルティモ・ウオモが暴く「日本の敵」の正体:セネガル編

詳細な戦術分析でサッカー評論の新たな地平を開拓するイタリアの新世代WEBマガジン『ウルティモ・ウオモ』は、日本の対戦国をどう分析するのか? そんなフットボリスタからの依頼に応えてくれたダニエーレ・マヌシア編集長がポーランド、コロンビア、セネガルに詳しいUU執筆陣をピックアップし、「日本の敵」の正体に迫ってくれた。セネガルは2002年W杯のキャプテンだったシセ監督の下で、アフリカらしからぬ戦術的アイデンティティを備えたチームに生まれ変わろうとしている。


文 ファブリツィオ・ガブリエッリ
翻訳 片野道郎


 2002年の日韓W杯で率いたセネガルを振り返って、ブルーノ・メツはこう語ったものだ。「[4-4-2]や[4-3-3]のチームをピッチに送り出すのに、偉大な監督である必要はない。しかし全員にモチベーションを与え同じ方向を向かせて、1つのチームとして機能させるのは……。サッカーは戦術だけの問題ではない。それを忘れている人々も少なくないが……」。白い呪術師と呼ばれたメツらしい言葉だ。

 そのチームのキャプテンを務めていたのが、現在チームを率いているアリウ・シセ。今大会で指揮を執る2人のアフリカ人監督の1人であるだけでなく、現在アフリカ大陸で台頭しつつある新世代監督の代表格でもある。メツとは対照的に、シセはチームに明確な戦術的アイデンティティを与えることを重視している。タレントに依存する部分が依然として非常に大きいことは確かであるにしても、「テランガのライオンたち」はチームとして1つのスタイルを確立している。プロジェクトの継続性がそれをもたらしたという側面も小さくない。というのも、現在のレギュラー11人中6人は、2012年の五輪代表で主力を担っていたからだ。このチームの助監督がシセだった。

 シセの目指すサッカーのキーワードは「ポリバレンス」だ。具体的には、チームとしての基本戦略とそれに基づくゲームモデルの枠内で、ポジションチェンジを頻繁に行う流動性の高いスタイル、ということになろうか。とりわけ[4-3-3]、[4-2-3-1]の「サイドのチェーン」、すなわちウイング、MF、SBという3人の流動性と互換性が特徴だ。

 GKの前を固めるのは、大柄で強靭な体格とヨーロッパでの経験を備えた、カラ・ムボジ(アンデルレヒト)、カリドゥ・クリバリ(ナポリ)という強力なCBペア。この2人が不動の地位を築いているのに対し、SBはガサマ(アランヤスポル)、ワゲ(オイペン)、サバリ(ボルドー)、シス(バランシエンヌ)という4人が左右2つのポストを争っている。4人のうち左利きはシス1人だが、左SBには右利きのサバリが起用されることが多い。

 中盤をテクニシャンではなくフィジカルでソリッドなタイプのMFで固めるのは、シセ監督がメツから引き継いだ特徴の1つ。キャプテンで左インサイドMFのクヤテはウェストハム、アンカーのゲイェはエバートンとプレミアリーグの中堅クラブでプレーしており、インテンシティの高いサッカーに馴れている。

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最終更新:6/14(木) 20:29
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