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コロンビア参謀のカンビアッソは「謎だらけジャパン」に何を感じたか

6/14(木) 8:02配信

webスポルティーバ

 ワールドカップ前最後のテストマッチとなったパラグアイ戦のハーフタイム、ふと記者席の後方を見ると、見覚えのある人物がいた。

【写真】スペインの知将が西野ジャパンをほめる。どこに光が見えたのか

 スキンヘッドがトレードマークのエステバン・カンビアッソ。長友佑都のインテル時代の同僚で、元アルゼンチン代表のレジェンドだ。

 会場を訪れた理由は、旧友に会いに来た……わけではなく、日本代表の視察である。実は、カンビアッソは同胞でユース代表時代の恩師であるホセ・ペケルマン監督に請われ、5月27日にコロンビア代表のコーチに就任していたのだ。

 ワールドカップ開幕まであと2日。各国ともスカウティング、情報戦に余念がない。

 ワールドカップ直前のテストマッチは最終チェックの場として重要だが、一方で、ライバル国をスカウティングする場としても貴重だ。特に、日本は4月に監督を解任し、新たに西野朗監督が就任したばかり。コロンビアにとって、日本は「謎多きチーム」だろう。

 5月30日のガーナ戦、6月8日のスイス戦、6月12日のパラグアイ戦と3試合を戦い、試したシステムは3-4-2-1、3-4-1-2、4-4-2、4-2-3-1の4つ。全23人を起用したばかりか、スイス戦とパラグアイ戦では先発11人を総入れ替えした(酒井高徳はポジション変更)。

 それは、情報戦を仕掛けたいというより、多くの選手、システムを試し、可能性を少しでも広げたいという理由からだが、結果として「謎多きチーム」をさらに謎めかしているのは確かだろう。

 パラグアイ戦後の会見で、西野監督に「この3試合でいろいろと試したが、コロンビアのコーチングスタッフが視察に来ているなかで、試すことと隠すことのバランスをどう考えているか」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「今日までの3試合で、常にテストのためシステムもキャスティングも変えています。スイス戦からガラッと変わったメンバーを見て、(彼らが)どう捉えたか。リスタートでも、まったくやっていないところは当然隠したい。コロンビアとすれば、捉えづらい日本を見ているのではないかと思います。

 すべてはコロンビア戦に向けて、オープンにできる部分と、出したくない部分というのがある。こういう厳しいゲームのなかで、トライしたかったこともあるんですが、それは、これからさらに詰めていきたいと思います」

 このコメントを聞くかぎり、リスタートに関しては何かしらの策を用意しているのは間違いないだろう。ショートコーナーやクイックリスタートだけでなく、より複雑なサインプレーやトリックプレー……。非公開練習中にすでに取り組んでいるものもあるかもしれない。

 では、戦術面、戦略面ではどうか。

 もし、パラグアイにも敗れ、攻撃の形を見出せないままコロンビア戦を迎えることになっていたら、戦い方をガラリと変える可能性もあるのではないか、と推測していた。

 ガーナ戦で採用した3-4-2-1をベースとする5-4-1で、自陣に分厚い守備ブロックを敷いてロングカウンターを狙う、2010年南アフリカ・ワールドカップのカメルーン戦、オランダ戦に倣(なら)ったスタイルで戦うのではないかと。

 というのも、オーストリアのゼーフェルト合宿が始まったばかりのころ、本田圭佑がこんなことを言っていたからだ。

「今言ったふたつのプランA、Bが機能しなかった場合も想定しなきゃいけない。そのワーストケースが南アフリカの守備のやり方なんで。全部ダメになっても、あのやり方はできると思っています。全員守備でいくと。攻撃の議論はナシにしようと。それは最終パターンとしてあると思っている」

 だが、4-2で勝利したパラグアイ戦後の「ひとつのベースはできた」という岡崎慎司の、「内容も結果も出たのは大きい」という長谷部誠の、「もっともっと選手のよさを引き出したい」という西野監督の言葉を聞くかぎり、最終パターンを採用するのではなく、パラグアイ戦での戦い方――コンパクトな守備ブロックを維持し、前からのプレスとミドルゾーンでのプレスを使い分け、ポゼッションとショートカウンターのメリハリをつけ、運動量豊富にアグレッシブに戦う――をコロンビア戦に向けて磨いていくことになるのだろう。

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