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アップルは「スマートフォン中毒」対策に、どこまで本気なのか?

6/14(木) 12:33配信

WIRED.jp

今年のアップルの開発者向けカンファレンス「WWDC」では、モバイルデヴァイスに費やす時間の管理と意識向上を目的とした一連の機能が明らかにされた。

アップルが基調講演では発表しなかった「本当の目玉」

着信やアプリの通知を一時的にオフにする「おやすみモード」が時刻や場所に基づいた設定に対応するほか、ロック画面の通知をアプリごとにまとめる機能などが利用可能になる。アップルは気を散らせる通知を細かく制御することで、携帯電話の使用時間を管理できると考えているようだ。

「スクリーンタイム」という、まさに時間管理を目的としたツールもある。通話時間やそれぞれのアプリについて、使用時間と頻度などを記録して可視化する機能だ。

一定期間ごとにまとめてリポートが見られるようになるため、携帯電話の利用を減らすべきか、また減らすとすればどの部分を削るのかといったことを考えられる。ほかにも、何かあると反射的にツイートするような悪癖を治したければ、特定のアプリに使用制限を設定することも可能だ。使用時間の合計が一定量を超えると、アプリがブロックされて使えないようになる。

時間制限ツールの効果のほどは?

こうしたツールが実際にどのくらいの効果を発揮するのか、知ることは難しい。5月に開かれたグーグルの開発者向けカンファレンス「Google I/O」でも同じような機能が出てきたが、いわゆる「テック中毒」なるものについて科学的な手法を用いて厳密に評価した研究はほとんどない。

また、具体的にどのようなツールがあればスマートフォンの使用をコントロールできるのかといった調査は、ほぼ皆無に等しい。また仮にデータが存在したとしても、アップルが今回の新しい機能の開発に当たって研究者と協力したという痕跡は見受けられない。

テック大手はこれまでずっと、自社製品が消費者を引きつけることに注力してきた。製品をなるべく使わせないようにするというまったく正反対のコンセンプトのアプリは、科学者だけでなく企業にとっても未知の領域だろう。

ただ、役に立ちそうなデータはある。その大半は、「Moment」のようなスマホ依存からの脱却を目指したアプリを開発する中小企業が保有している。Momentはアプリの使用時間を測定・記録するアプリを手がけており、過去数年にわたって時間管理ツールに関する調査を行なってきた。

『WIRED』US版は同社の最高経営責任者(CEO)ケヴィン・ホーレシュに、自社アプリの「Force-Me-Off」機能の効果を分析してほしいと頼んだ。これは基本的にはアップルがWWDCで明らかにしたアプリの使用制限機能と同じで、iPhoneの使用時間に上限を設けることができる。制限時間が近づくと警告が出て、制限を超えると携帯が使えなくなる。

ホーレスはMomentのユーザー130万人すべてについてデータを出してくれた。携帯の使用時間を記録する機能を30日以上使ったユーザーのうち、57.39パーセントが携帯の使用時間を減らすことに成功しており、短縮時間は平均で24分だった。

悪くないだろう。この数字は、携帯電話に時間を費やしているという事実を認識することで、依存を軽減させられる可能性があることを示している。しかし、使用時間の記録には想像したほどの効果はないようだ。

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最終更新:6/14(木) 12:33
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