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ワコールの炎上広告「東北美人に抱かれているような下着」炎上の原因は「手抜き」である。(中嶋よしふみ SCOL編集長・FP)

6/19(火) 6:03配信

シェアーズカフェ・オンライン

先日、下着メーカー大手ワコールが製作した広告が炎上し、謝罪・削除に追い込まれた。

広告では男性用のTシャツを「東北美人に後ろから抱かれているような感じ」と表現した。そして同様の内容をワコールの公式アカウントがツイートしたことから拡散され、女性をモノ扱いした差別ではないか? 偏見に満ちたセクハラのような内容だと批判を受け、結果としてツイートと広告の両方が削除された。

削除・謝罪については、この程度で文句を言うなんておかしいという意見も多数あったが、この広告が差別や偏見、セクハラにあたるかは一旦別にしても、問題のある広告であることは間違いない。そしてその「問題」が結果として批判・炎上につながった。

過去に炎上した広告として、サントリーのビール「頂」、キリンの「午後の紅茶」(午後ティー女子)、鹿児島県・志布志のウナギ少女の宣伝動画、そしてワコールと、いずれも共通点がある。女性をネタにしていること、そしてネット上で展開していることだ。

度重なる炎上を受けてトラブル防止のためにダイバーシティ(多様性)の観点からチェックした方が良いという意見もあり、すでにそのような仕組みを取り入れているケースもあると聞く。

ただ、これらの炎上している宣伝・広告を見て分かることは、ダイバーシティとかそんな「高度」な話をする以前の段階で、これらの広告が「手抜き」で作られているという問題だ。

ネット広告はテレビや雑誌の広告と比べて明らかに炎上数が多い。現在日本でインターネットに使われる広告費は急激に増加し、ラジオ、雑誌、新聞を超えテレビに次いで第二位となっている。一方でクオリティの低さから炎上するものは多く、ステルスマーケティングや違法サイトの広告配信など法的・倫理的に問題を抱えているケースも少なくない。そして炎上した広告はいずれも女性がらみだ。

なぜネット広告は炎上しやすいのか? なぜ女性をネタにすると炎上するのか? これは決して偶然ではない。

二つの共通点から浮かび上がるものは単純にこれらの広告や企業が炎上したとか、そこまで目くじらを立てる必要は無いといったレベルの話ではなく、企業が真剣に考えるべき、そして取り組むべき課題がある。FPとしてビジネスの観点から、そしてウェブメディア編集長として表現という観点から、複合的に考えたい。

■問題となったのは記事広告。
今回問題となったワコールの広告は、テレビCMや紙の雑誌に掲載される写真とコピーで構成される広告とは異なり「記事広告」と呼ばれるものだ。文字通り記事の体裁をとった広告であり、最近ではウェブメディアにとって重要な収入源となっている。

一時はステマとして問題になったものもあったが、現在はまともなメディアであれば広告・PR・AD・スポンサードといった表記が必ず付けられている。目にしたことがある人も多いだろう。記事広告はネイティブ広告とかスポンサードコンテンツ、ブランドコンテンツなど、様々な呼び名がある(細かな定義の違いもあるが割愛)。

ワコールの記事広告では、掲載したFORZASTYLEの編集長とワコールのMD(マーチャンダイザー・商品の企画から販売戦略まで担当する人)の対談形式となっている。

記事広告で取り扱っている男性用の下着は時期的なこともあり、通気性や速乾性などが強調されている機能性下着だ。

記事の内容はワコールのMDが商品の良さを編集長にプレゼンする形式でこれといって凝った作りではない。最初は商品の良さについて会話していたものが、段々肌触りがエロい、といったおかしな表現が紛れ込んでくる。

この程度であれば問題にならなかったと思うが、最後は「確かに触るとひんやり冷たくて、すごく気持ちいいですね。東北美人に後ろから抱かれているような感じ。」といった発言が出ている。

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