ここから本文です

本で読み解くW杯! 巨大放映権料に電通、八百長…“サッカーとカネ”を暴く推薦図書はコレだ!

6/20(水) 15:03配信

サイゾー

――急激な高騰の続くサッカー界の年俸や移籍金。イニエスタのヴィッセル神戸加入のビッグニュースでも、32億円と報じられた年俸に驚いた人も多いだろう。ビジネス的にも世界的なビッグイベントであるW杯も開催される今、日本人にも身近な話題となりつつある“サッカーとカネ”にまつわる書籍群を紹介する。

 昨年パリ・サンジェルマンFCに加入したネイマールの移籍金は約290億円。ヴィッセル神戸に移籍したイニエスタの年俸は約32億円――。小さな国家のGDPを軽く上回る金額を目にすると、サッカーがビジネスとしても巨大な存在であることがわかるだろう。W杯で盛り上がる最中、本稿では、そんな“サッカーとカネ”の裏側を描いた書籍を見ていこう。

 まずは、巨大なサッカービジネスの象徴である、ヨーロッパのビッグクラブについての書籍から。スポーツとしてのサッカーにとどまらず、多様な切り口のサッカーの記事・論説を掲載している「フットボール批評」編集長の村山伸氏は、自身の編集した近刊『億万長者サッカークラブ』【1】をまず挙げてくれた。

「アブラモヴィッチ(2003年にイングランドのチェルシーを買収したロシア人実業家)をはじめとした、ビッグクラブのオーナーが一体何者で、なぜサッカークラブに投資を行っているのかを描いた書籍です。大富豪の道楽と思っている人も多いかと思いますが、アブラモヴィッチを扱った章では、プーチンをはじめとした政治家の名前も登場しますし、不可解な死を遂げる人物も出てきます。アブラモヴィッチのチェルシー買収には、自らの存在を世界に知らしめることで、自分の身の安全を確保する狙いもあったんです」(村山氏)

 同書によると、アブラモヴィッチと訴訟合戦を繰り広げたエリツィン派の実業家は、ロンドンで死体となって発見。彼の周辺人物にも多くの死者が出ているという。そのような事実は、サッカーファンでも知らない人が大半のはずだ。

「また中国クラブによる(海外選手の)爆買いにも、サッカーファンである習近平国家主席が大きく関係しています。一方でメジャー・リーグサッカーのアメリカ人オーナーは、純粋にビジネスとして、サッカーに投資をしている。このようにオーナーの国や地域によって、クラブ経営の狙いが違うことがわかるのも本書の魅力だと思います。またビッグクラブを扱った最近の書籍では、『THE REAL MADRID WAY』【2】もおもしろい本でした。クラブ公認の本でありながら、財政面でのさまざまなデータも公開しており、レアルが借金まみれだった時代のことも書かれています」(同)

 一方で、巨大な資本がなくてもクラブ経営は可能で、チームが勝利を重ねれば上のカテゴリーのリーグへとステップアップできる……というのもサッカーの醍醐味だろう。そんな側面を描いた書籍として、サッカーについても多く執筆するコラムニストの小田嶋隆氏は『サッカーおくのほそ道』【3】を推薦する。

「J3やJFLといった下位カテゴリーのクラブを追いかけて、クラブ経営の裏側も丹念に取材している宇都宮徹壱氏ならではの書籍です。選手が自ら営業に出向いてお金を集めている話や、JFLのクラブが47歳の中山雅史を現役復帰させた背景なども描かれています」

 同書は、あえてJリーグ入りを目指さないHonda FCのような実業団クラブについても取材を敢行。「街のクラブがプロ化を目指す際の葛藤なども、リアルに描かれていた」と小田嶋氏。

「ひとつの街にひとつのサッカークラブがあり、7部や8部までリーグがあるサッカーが盛んな国々の状況に、日本も近づきつつある……と実感できる内容です。本書では、選手が街に出てお金を集めたり、チケットを売ったりする姿も描かれていますが、その様子は川淵三郎Jリーグ初代チェアマンが思い描いたJリーグの理想に近いものだと思います」(同)

 そんなJリーグも2015・2016年には「2ステージ制+ポストシーズン」を導入。ヨーロッパの四大リーグ等では見られない仕組みで、年間勝ち点1位のチーム=優勝ではなくなることから、「世界基準からかけ離れている」と非難の声が多く上がった。その導入の背景を描いた書籍として、フリーライターの清義明氏は『Jリーグ再建計画』【4】を挙げる。

1/5ページ

最終更新:6/20(水) 15:03
サイゾー

記事提供社からのご案内(外部サイト)

サイゾー

株式会社サイゾー

2018年8月号
7月18日発売

定価980円

【視点をリニューアルする情報誌】
第1特集:SEX論
第2特集:人気ラッパー連続逮捕のワケ
第3特集:都丸紗也華"初艶"グラビア

Yahoo!ニュースからのお知らせ