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40代では5割が流産 リスクを伴う高齢出産に産婦人科医が3つの助言〈AERA〉

6/24(日) 11:30配信

AERA dot.

 働きながら出産する女性が増え、異変を感じても忙しくて休めず、仕事や通勤で無理をしてしまう人もいる。聖路加国際病院の産婦人科医で遺伝診療部長の山中美智子さんは苦言を呈す。

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「切迫流産や切迫早産になっているので仕事を休んで安静に、と伝えても、深刻な状況を理解せず、『休めない』という人もいる。キャリアを積んできた人の中には、トラブルが起きてもたいていは自分の力でどうにかなると思い込んでいる人も少なくない。おなかの赤ちゃんを守ってあげられるのは母親だけという自覚を持ってほしい」

 本人だけではどうにもならないこともある。夫をはじめとする家族や、職場の上司や同僚にも高齢出産のリスクを知ってもらうことが大切だ。

 卵子の老化は、流産や胎児異常の割合の増加にもつながる。

 流産は約15%の割合で起こるとされているが、加齢とともに増加し、30代後半は25%、40代前半では50%という報告もある。流産の8割は胎児の染色体異常が原因で、卵子の質が低下して減数分裂がうまくいかなくなるために起きてしまうのだ。流産だけでなく、ダウン症などの染色体異常の赤ちゃんが生まれる確率も加齢とともに上がる。

 男性も高齢になると、子どもの先天異常が増えるというデータもあるが、日本産科婦人科学会理事長や日本生殖医学会理事長などを務めた吉村泰典・慶應大学名誉教授は「女性の卵子の老化に比べるとそのリスクは小さい」と言う。

 高齢出産を理由に、赤ちゃんの染色体や遺伝子の異常を誕生前に調べる「出生前診断」を希望する夫婦は多い。いくつか種類があるが、2013年にスタートした簡単な血液検査による「新型出生前診断」では昨年9月までに約5万1千件の検査が行われ、そのうち陽性が確定した700人の9割超が人工妊娠中絶を選んだ。

 新型出生前診断について、日本産科婦人科学会は遺伝カウンセリングなどの体制を整えたうえで行うように定めているが、海外の検査会社と提携して、体制も整えずに無届けで検査を行う施設も出てきている。

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最終更新:6/24(日) 17:43
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