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個人だけでなくグループの共同作業や交流も活性化させるコーヒーの効能

6/22(金) 6:31配信

@DIME

 コーヒーが心身にもたらす好影響はこれまでにもいろいろと報告されているが、カフェインの摂りすぎにはくれぐれも注意しなければならない。そこで現在、コーヒーを飲むタイミングを教えてくれるアプリが開発中だ。

■ベストな“お茶の時間”をアプリが知らせる
 ご存知のように食文化を越えて世界的に広く普及している飲料がコーヒーだ。アメリカ人の実に85%は1日に1杯以上のコーヒーを飲んでいるという統計も報告されている。

 しかしその一方で適量を越えたコーヒーはカフェインの過剰摂取に繋がり逆に健康を脅かす要因にもなり得る。もちろん非現実的な量を飲まない限りはコーヒーだけでカフェイン中毒を引き起こすことはないが、コーヒー以外にもエナジードリンクなどを飲んでいたり、市販の鎮痛剤やかぜ薬などを服用している時などはそれなりに注意が必要だろう。

 そこで安全にしかも効果的にコーヒーを飲むためのアルゴリズムが現在、鋭意開発されている。

 アメリカ国防総省の研究機関であるBHSAI(High Performance Computing Software Applications Institute)とTATRC(Telemedicine and Advanced Technology Research Center)の合同研究チームが開発したアルゴリズムは、各個人の睡眠スケジュールからコーヒーをいつ、どのくらい飲むのかを示してくれるという画期的な機能を備えているのだ。

「新開発のアルゴリズムを使って、いつ、どれくらいの量のコーヒーを飲むのかを決めることができます。これによって覚醒時の注意力が64%向上し、逆にカフェイン摂取を65%減らすことができます」と研究チームのジャック・ライフマン氏は語る。つまり“ベストタイミング”の時間にコーヒーを飲むことでその効果を最大限に発揮できるのである。

 研究では睡眠不足状態でのカフェインの影響を、ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Test、PVT)の実験を通じて収集したデータを分析して探っている。ヴィジランス課題とは注意持続性を計測するテストで、何らかの合図に反応してすぐにボタンを押す作業などを繰り返す課題である。

 こうして開発されたアルゴリズムがそれぞれのユーザーの睡眠スケジュールから1日の中でコーヒーを飲む“ベストタイミング”を計算して当人に知らせてくれるのである。このアルゴリズムは将来的にはスマホのアプリになることが見込まれているということだ。アルゴリズムに“お茶の時間”を決めてもらうというのも乙なものかもしれない。

■コーヒーで“ソーシャル”になれる
 注意力を高めてパフォーマンスの向上に一役かってくれるコーヒーだが、個人だけに留まらずグループの共同作業や活発な交流にも役立っていることが最新の研究で報告されている。

 米・オハイオ州立大学フィッシャー・カレッジとカリフォルニア大学デービス校の合同研究チームが先日、「Journal of Psychopharmacology」で発表した研究では、コーヒーなどのカフェイン飲料がグループのパフォーマンスにポジティブな影響をもたらすことを指摘している。

 普段からコーヒーを常飲している72人の大学生が参加した実験では、その日に“コーヒー断ち”をしてもらった状態で、半数にコーヒーを飲ませてから「オキュパイ・ウォールストリート」デモなどの政治問題についで15分間、グループでディスカッションしてもらった。

 ディスカッション後に参加者はそれぞれ自分自身とグループのメンバーの評価をした。収集したデータを分析した結果、ディスカッションの直前にコーヒーを飲んだ者のほうが自分自身についてもメンバーについても高く評価する傾向が浮き彫りになったのだ。

 61人の大学生(コーヒー常飲者)が参加した2つ目の実験では、半数はカフェイン飲料を、もう半数はカフェイン抜き飲料(デカフェ)を飲んでもらってから同じように議論が分かれる政治的問題についてグループディスカッションをしてもらった。

 やはりここでも、カフェイン飲料を飲んだ者のほうが自己評価とメンバー評価が高くなり、グループディスカッションにポジティブな姿勢で参加していることが明らかになった。加えてカフェイン飲料を飲んだ者のほうが、議題のテーマから外れることなく議論する傾向があることも判明した。

 実験参加者はいずれもコーヒー常飲者であったため、コーヒーを飲まない者にはどのような影響を及ぼすのかなどは今後の研究課題となるが、コーヒーなどのカフェイン飲料でより“ソーシャル”になれることが示唆されることになった。カフェや喫茶店で会話が弾むのもある意味で当然のことであったということになるのかもしれない。

■適量のコーヒーは心臓に良い
 先月、米カリフォルニア州の上位裁判所は州内で販売されるコーヒー商品に発がんリスクを警告するラベルの貼付を義務づける判決を下してコーヒー愛飲家の耳目を集めた。

 コーヒー豆の焙煎時に生じる化合物「アクリルアミド」の発がん性は以前から指摘されていた。しかし適量のコーヒーであればまったく問題ないどころか、健康に資するものであることが最近の研究でも報告されている。

 今年4月に米国心臓病学会が「Clinical Electrophysiology」で発表した研究では、1日3杯程度のコーヒーが不整脈や心房細動の症状を改善する可能性があることを報告している。

 22万8000人を対象にした研究では、コーヒー常飲者は不整脈のリスクが6%低くなることが判明した。さらに11万500人の患者を対象にした研究ではコーヒーの常飲によって不整脈のリスクが13%も下がることも報告されている。

 心臓発作から回復した103人の人々を対象にした研究では、1日3杯程度のコーヒー(カフェイン350mg)によって実際に心臓の状態が徐々に改善することが確かめられている。

「カフェインは心臓に悪いという一般的な認識がありますが、我々の広範囲に及ぶ研究でそうした事実はなさそうであることが示されました」と研究を主導したピーター・キスラー医師は語る。

 適量のコーヒーやお茶はむしろ心臓に良いことが示されているのだが、今年4月に発表されたオーストラリアの研究でも1日に6杯までのコーヒー摂取(カフェイン500mg)は心室性不整脈(ventricular arrhythmias)のリスクを高めるものではないことが報告されている。

 カリフォルニアでの判決はひとまず置いておくとして、心臓の健康維持にも効果があるというコーヒーを日々の生活の中で思い思いに楽しみたいものだ。

文/仲田しんじ

@DIME編集部

最終更新:6/22(金) 6:31
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