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「旧姓の銀行口座」を、婿入りした私が入手しようと挑戦してみた

6/22(金) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 世界で唯一、夫婦別姓を認めていない国、日本。実はあまり知られていないが、昨年、金融庁は全国の主要行などに対して旧姓での口座使用を可能にするように協力要請を出している。実際に今、銀行で旧姓を使い続けることは可能なのか。結婚を機に妻側の姓を名乗ることになったフリーライターが試してみた。(取材・文/フリーライター 高田純一)

● 夫婦別姓法案通過 待ち続けて十数年

 とうとうバレたか。これが最初の感想だった。

 フリーライターとして独立してからずっと使っていたメインバンクの新生銀行から「住所変更手続きのお願い」というメールが届いた。3年前に長年住んだマンションを立ち退いた際、銀行に届けてある住所を変更せず、毎年郵便局に転居届けを出し続けることで銀行からの各種書類を転送してもらっていたのだが、それが何かの手違いで返送されてしまったのだ。

 ぐぬぬ、郵便局員め……。と恨み節を吐く前に、そもそもなぜ私が住所変更しなかったのかを説明しないといけないだろう。

 それは旧姓の銀行口座と身分証明書を維持し続けるためだ。

 数年前、長く同棲していた彼女と結婚し、私が妻方の姓を名乗ることになった。つまり婿入りしたのだが、基本的に結婚した事実を近親者以外には伝えたくなかったこと、結婚後も取引先とは旧姓でやりとりしたかったこと(この記事も、企画を打診した際に担当編集者は結婚したことを知らなかった)などから、いまやペンネームと化した旧姓の銀行口座と身分証明書を維持しておきたかったのだ。

 じゃあなぜ結婚したのかというと、さかのぼること実に20年近く前の2000年頃、いずれ夫婦別姓法案が通れば結婚するという名目で同棲を始めたものの、いっこうに民法改正の様子が見られず、老い先短くしびれを切らした妻方の両親から「嫁入りでもいいから、とにかく結婚してほしい」と懇願されたからだ。

 とはいえ、相手は田舎の本家の長女。こちらは末っ子であるし、すでに兄も家庭を持って甥っ子姪っ子がたくさんいる。とあれば「この姓に執着することもないだろう」と婿入りすることにしたのだ。親戚のおばさんは泣いて喜んでくれたから、我ながら良い選択だったと思う。

● 旧姓名義、 残そうと四苦八苦

 結婚後、新姓の健康保険証や年金手帳が自動的に送られてきた。運転免許証も更新時に新姓に改められた。

 このままでは旧姓の身分証明書が一切なくなってしまう。クレジットカードや銀行口座は旧姓のままなのに。

 そこでひとまず入手したのが、旧姓が併記されたパスポートだ。2019年度(目処)からは希望があれば旧姓を併記できるようになるようだが、私が結婚した当時は海外で旧姓で活動している人に限られていた。筆者はたまたま海外でも記事を書いていたり賞をもらったりしていたので、活動実績を提出することで無事に旧姓が併記されたパスポートを発行してもらえた。

 逆に言えば、それらがなければ旧姓が記載された身分証明書は手に入らなかったわけだ。

 このパスポートのおかげで新たに旧姓のクレジットカードを発行することができた。印鑑の押印や身分証明書の提出が必要なく、カード受け取りの際に身分証明書を配達員に見せればOKなクレカならば、旧姓併記のパスポートがあれば発行可能なのだ。

 具体的には楽天カードなのだが、楽天カードのダイバシティー社会実現への取り組みは積極的で、楽天カードなら夫婦別姓やLGBTカップルでもファミリーカードを発行することができる。事実、妻名義のカードも難なく発行することができた。

 もっとも、業務とは関係なく旧姓を名乗る必要がない制度やサービスの利用──例えば電気・ガス・水道、民間保険、小規模企業共済といった契約は、随時新姓に改めたのだが、これはこれで手間暇がかかり大変だった。

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