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真夏の五輪、通勤は地獄? 東京や新宿で乗客2割増

6/23(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 2020年の東京五輪・パラリンピックの開催期間中、ただでさえ乗降客の多い東京駅や新宿駅などの大規模な乗換駅では利用者がさらに1~2割増える可能性がある――。こんなシミュレーションを専門家が独自に試算した。競技時間が朝の通勤ラッシュ時に重なると、混雑緩和策を取らなければ局所的に輸送障害が起きる恐れがあるという。
 シミュレーションを公表したのは中央大学理工学部の田口東教授。数理モデルで社会課題を解決する交通ネットワークの専門家だ。東京急行電鉄の田園都市線の混雑緩和策として、朝のピーク時間に急行などをやめて各駅停車だけにすれば遅延を縮小できるとの試算を示したこともある。
 東京五輪のシミュレーションでは公開情報をもとに混雑状況を分析した。首都圏では通勤・通学で電車を利用する人は約800万人おり、五輪期間中には1日に最多で66万人が加わるとみられる。田口教授は利用経路や乗降客数、試合時間などのデータから、どの駅や鉄道路線が混雑するのか算出した。
 会場の立地などから、観客が利用する鉄道はJR線と東京地下鉄(東京メトロ)が多く、全体の7割ほどを占めるとみられる。乗客が郊外から都心へと集中するため、東京駅のような大きな乗換駅では朝のピーク時間帯に利用客が1~2割増えるという。
 こうした大規模な駅には利用客が瞬間的に押し寄せる可能性がある。電車に乗りきれない客が駅に滞留し、東京駅は普段より8割多い人でごった返す恐れがある。新宿駅は2.3倍、永田町駅では3倍もの人が駅にあふれそうだ。入場規制がかかり、駅の外に人があふれるかもしれない。
 朝の混雑率が200%を超える電車の本数は通常より5割増えるとしている。「混雑率200%」は体が触れ合い相当な圧迫がある状況だ。夕方から夜にかけても激しい混雑が予想される時間帯がある。
 鉄道事業者にとって「東京五輪での輸送対策はこれからだ」(JR東日本の深沢祐二社長)。五輪期間中の休日は決まったものの、正式な競技スケジュールは判明しておらず、まだ大がかりな対策を打ち出せていない。運転本数を増やして対応するのかどうか焦点になりそうだ。
[日経MJ2018年6月8日付]

最終更新:6/23(土) 10:12
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