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試合中、ぼんやり歩いていたメッシ。アルゼンチンの限界を世界が見た

6/23(土) 17:30配信

webスポルティーバ

 南米勢受難の大会である。

 今回のワールドカップはヨーロッパでの開催ながら、サポーターの数では南米勢が圧倒的に上回っている。自分が現在、ロシアに来ていることを忘れてしまうほどだ。

【写真】オシムが語るコロンビア戦

 ところが、試合結果はというと、南米勢はかなり分が悪い。

 出場全32カ国がグループリーグ初戦を終えた時点で、勝利できたのはウルグアイのみ。コロンビア、ペルーは敗れ、ブラジル、アルゼンチンでさえ引き分けに終わっていた。

 そしてグループリーグが2巡目に入ると、”ひとり勝ち”のウルグアイが連勝で早々に決勝トーナメント進出を決め、ブラジルもようやく1勝を挙げたものの、逆にペルーは連敗し、グループリーグでの敗退が決まった。

 そして南米の巨星のひとつ、アルゼンチンもまた、グループリーグ敗退の危機に瀕している。

 グループリーグ第2戦、アルゼンチンはクロアチアに0-3の完敗を喫した。前半こそ、互角にゲームを進めたものの、後半にGKウィリー・カバジェロのミスキックをクロアチアのFWアンテ・レビッチにダイレクトで叩き込まれて先制されると、焦りばかりが目立って反撃の糸口さえ見つけられずじまい。アルゼンチンのホルヘ・サンパオリ監督が「恥だとは思わないが、アルゼンチンの人々が期待するレベルの試合を見せられず、痛みを感じている」と語るほど、屈辱的な大敗だった。

 もちろん、サッカーがチームスポーツである以上、選手個人に敗戦の責任を押しつけることはできない。事実、チームとして組織的に戦えるという点で、クロアチアはアルゼンチンを大きく上回っていた。その点において、結果は妥当なものだった。

 だとしても、対戦した両チームのキャプテンにして「10番」、すなわち、それぞれのシンボル的存在が見せたあまりに対照的なパフォーマンスには、やはり注目しないわけにはいかない。

 勝利したクロアチアの10番、ルカ・モドリッチは攻守両面でよく動き、常にひとつの駒として機能するなかで、他が真似のできない”違い”を作り出した。試合を決めた2点目のスーパーゴールがまさにそれを象徴する。

 一方でアルゼンチンの10番、リオネル・メッシはあまりに緩慢だった。

 初戦のアイスランド戦では、攻撃がうまくいかないと見るや、自ら下がってボールを受け、低い位置からでもドリブルを仕掛けたり、パスをさばいたりと、自分が何とかしようとする意欲が見えた。”戦術はメッシ”。アルゼンチンの現実を、彼自身がよく理解しているようだった。

 ところが、クロアチア戦では、どちらのチームがボールを保持しているかに関係なく、メッシはほとんどの時間でぼんやりと歩いているだけ。時折気がついたように相手にプレスをかけたり、パスを受けて強引にドリブルで相手守備網に突っ込んでいったりするものの、実質的なプレー機会は極めて少なかった。

 モドリッチが「最も危険な選手であるメッシにボールが渡らないよう分断した」と戦術的狙いを語っていたように、確かにクロアチアは特に先制後の時間で、縦パスのコースを切り、アルゼンチンの攻撃を手詰まりにさせてはいた。

 だとしても、メッシはあまりに無策だった。自分が出場している試合を、まるで他人事のように眺めている時間があまりに長かった。

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