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人材投入だけでは「知財戦略」は変えられない

6/24(日) 6:00配信

東洋経済オンライン

 会社が持つ知的財産について注目が集まっている。たとえば自動車業界ではEV(電気自動車)や自動運転などこれまでにない、新しい車種の開発が進んでいる。まったく新しい技術を必要とするため、そこにIT系や総合電機といったプレーヤーが参入してきている。異業種の新たな技術が入り込む状況下、それまで持っていた特許技術の中で、大きな使い途のあまりなかった技術が重要な技術として見直されるケースも出ている。

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 知的財産(知財、IP)は技術・事業と比較してこれまで日の目を浴びることは少なかったが、今、「IPランドスケープ」という言葉が注目を集め、経営戦略の中でも重要な地位を占めつつある。 IPランドスケープとは、知財を活用して経営戦略・事業戦略を策定し、それを実施していくという意味だ。

 たとえば自社が保有する知的財産をあえて市場に開放し、その知的財産を使う製品のマーケットを育てていくという手もあれば、逆に特許出願をせず、ノウハウを門外不出にすることで市場を独占していく手段もある。知的財産戦略によって、製品や技術の大量普及や高収益のビジネスモデルの構築を自在に実現させることができる。そして知財を扱う部門に求められる機能は、グローバル化の波とともに大きくなっている。

■知財に詳しい人材の獲得競争が激化

 そうした理由から近年、企業の知財人材の獲得競争が激しさを増している。リクルートキャリアが毎月発表している求人倍率によると、知財を含む法務職の求人倍率は、2014年4月は0.78倍と1倍を下回る水準だったが、その後年を追うごとに求人数が拡大。2018年4月には1倍を大きく上回り、1.73倍という数字になっている。4年間で求人倍率が2.2倍になる注目の職種のひとつとなっている。

 しかし、知的財産を専門領域とする人材の転職を支援する筆者としては、「知的財産戦略」という言葉が一人歩きし、実態はこれまでとあまり変化していないように感じている。

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