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働き方改革で大ブーム、「RPA」の期待と現実

6/25(月) 9:00配信

東洋経済オンライン

 東京都文京区の閑静な住宅街にそびえ立つビル。オフィスフロアの一角に、パソコンだけが置かれた空席のスペースがある。利用者名は「日生ロボ美」。生命保険最大手、日本生命保険が活用するRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の愛称だ。

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 日生の金融法人契約部では、銀行における保険販売の後方支援業務などを行っている。契約数だけでなく、取扱保険の種類も増加しており、藤吉亮輔担当課長は「人繰りが厳しい状況だった」と明かす。

 そこで2014年から、顧客情報の変更の入力など4業務でRPAを導入。その後も資産運用分野での企業情報の自動抽出など導入業務を拡大した。現在は同部で25人弱分、業務量にすると20%弱をRPAに置き換えた。こうした効果を踏まえ、日生では全社レベルでRPAの導入を推進中だ。

■定型的作業に強みを持つ

 RPAは、人間によって決められた定型的動作を行うソフトウエア。物理的にロボットがいるわけではなく、「人と同じような動作ができる」ソフトだ。たとえば、交通費の申請時に正しい金額が入力されているか、自動的に乗り換え検索サイトと照合するといった使い方がある。

 業務システムと異なるのは、ソフトに新しい業務を覚えさせることによって、作業内容の変更に柔軟に対応できる点だ。システムなら最低でも数百万円かかる投資が、RPAなら安価で済むことも利点。これまでシステム投資に見合う効果を見込めなかった事務作業の効率化に強みを発揮する。

 2016年頃から業務や会計のコンサルタント会社が積極的に提案、認知度が高まった。当初は保険会社やメガバンクなど事務作業の多い金融業界が先行していたが、現在では業種を問わず利用されている。「RPAはバズワード(流行語)。企業で予算を取りやすい雰囲気があるのではないか」と、AI・ロボティクス部会を立ち上げた日本CFO協会の谷口宏事務局長は分析する。

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