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個で上回っていたセネガルの誤算。日本のビルドアップの高度な工夫

6/26(火) 13:58配信

footballista

林舞輝の日本代表テクニカルレポート第2回:日本対セネガル

欧州サッカーの指導者養成機関の最高峰の一つであるポルト大学大学院に在籍しつつ、ポルトガル1部のボアビスタU-22でコーチを務める新進気鋭の23歳、林舞輝が日本代表のゲームを戦術的な視点から斬る。第2回のテーマは、難敵セネガル相手に優勢に試合を進められた決め手となった「日本のビルドアップの高度な工夫」について検証する。


文 林舞輝(U-22ボアビスタコーチ)


 正直に言えば、フットボリスタ本誌に寄稿した私のセネガル戦の分析とシミュレーションは間違っていたと言わざるを得ない。理由は簡単で、クリバリ&サネという世界最高クラスと言っても過言ではないCBコンビ相手に大迫がボールを収められるとは思っていなかったし、セネガルの屈強なFW陣相手に昌子が競り勝てるとも思っていなかったし、圧倒的な突破力のある両ウイングを酒井&長友が封じられるとも思っていなかった。だが、蓋を開けてみればすべての局面で勇気を持って互角に渡り合い、その局面でのエピソードを紡いで一つのストーリーを作った柴崎という圧倒的な存在がいた。つまり、分析の前提そのものが間違っていたのだ。もしかしたら、それはセネガルも同じだったのかもしれない。

■失点の裏にあったセネガルの狙い

 セネガルは日本の[4-2-3-1]に噛み合わせた[4-3-3]で挑んできた。開始直後はスピードとパワーを生かした果敢なハイプレスで機先を制しにくる。観ているこちらはハラハラするような互いのゴール前を行き来する展開になるものの、日本の選手たちは至って冷静だった。“猫だましプレス”には動じずに応戦、ポゼッションを高めることに成功した。

 が、ようやく試合が落ち着いた頃に失点。クロスに対して原口が対応を誤り、川島がパンチングを目の前にいたマネに当ててしまう。致命的なミスであることは明らかだが、原口は日本が高さで圧倒的に劣る以上なるべくCKを避けたいという心理が働いたこと(もしくはCKはできるだけ回避しろとのスカウティングがあったかもしれない)、川島は目の前にマネが詰めているのが視界に入りとっさに複数の選択肢が頭をよぎったことを考慮するべきだろう。

 もっと言えば、格上のセネガルに真っ向勝負をしている以上、サイドの局面を攻略され、逆サイドへのハイクロスに原口がペナルティエリア内まで戻って対応せざるを得ないという状態になってしまった時点で、問題があった。左の乾も自陣で引いた時の守備には難があり、右の原口は戻っては来るが対応があやふやなケースがあるため、セネガルはマネのサイドよりも「右ウイングのサールからの崩し→逆サイドのマネでフィニッシュする形」を最初から狙っているようだった。

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最終更新:6/26(火) 17:42
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