ここから本文です

転職・退職時にもらえるお金 忘れてはいけない手続き

6/26(火) 5:00配信

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン)

 「今と違う仕事がしたくなった」、「自分の可能性を試したい」、「今の職場ではやっていけない」など、長い人生、今と違う仕事を選択することもあるかもしれません。そんなとき、目の前の退職で頭はいっぱいかもしれませんが、後で困らないためにも、冷静に退職前後の手続きや制度のことを知っておきましょう。退職前後の「お金」にスポットを当ててお伝えします。

【関連画像】個人の運用次第で将来の給付額が変わる「確定拠出年金」を導入する企業が急増中。あなたの勤務先は導入していますか? (C)PIXTA

●そもそも、退職金って誰でももらえるの?

 あなたが勤めている会社に、「退職金制度」はありますか?

 実は、退職金制度の有無は、会社が独自に決めています。

 退職金制度の有無は、人事や総務に確認すると教えてもらえます。「いや、でもちょっと聞きづらいな……」という場合は、入社時にもらった会社案内の一式や社内限定のネットワークなどに公開されてないか確認しましょう。

 なお、従業員が常時10人未満の職場には就業規則などを作る義務はありません。こういう事情もあり、小規模な会社は、退職金制度がないケースが多いようです。

 実は、私のところへ個人相談に来る方の話を聞いていると、自分の勤務先に退職金制度があるかないかが分からないという人は少なくありません。退職金を当てにしていたのに、退職直前になって制度がないことが分かると、その後のマネープランが大きく変わってしまいます。退職を考え始めたら、早めに退職金に関する情報を手に入れましょう。

 

退職金には税金がかかるが、申告書提出で優遇

 退職金は、税金がかかる対象となり、給与収入とは分けて、退職金収入だけで税金を計算します。また、給料のように毎年受け取る収入ではないため、税金の優遇制度があります。この優遇制度を使うのに必要なのが「退職所得の受給に関する申告書」です。

 実は、この申告書を提出しないと、退職金の約20%の税金が、自動的に天引きされ(源泉徴収)、手取りは少なくなってしまいます。

 退職までに会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すると、退職金の必要経費となる「退職所得控除額」を差し引いた上で税金を計算します。その結果、退職金に税金がかからないケースが多くなるのです。

 退職金による収入は「退職所得」という分類になり、退職所得は次のように計算します。

「(退職金収入―退職所得控除額)×1/2=退職所得」

 退職金収入よりも、差し引かれる退職所得控除額が多ければ、退職金には税金がかかりません。退職所得控除額は、次の計算式で求めます。

■退職所得控除額の計算
勤続年数(=A)

・20年以下の場合
40万円×A(最低控除額80万円)

・20年超の場合
800万円+70万円×(A-20年)

参考/国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」


 勤続年数は、入社から退職までの期間を表しますが、端数は1年に繰り上げます。仮に、3年2カ月で退職したとしても、退職所得控除額を計算する際は「4年」として計算するのです。

 勤続年数2年までならば80万円、5年なら200万円、10年なら400万円、20年なら800万円、40年なら2200万円が退職所得控除額となり、この金額を超えない退職金なら税金はかかりません。

 例えば、勤続5年、退職金60万円を受け取る場合。「退職所得の受給に関する申告書」を出していないと、退職金収入の60万円に対して、約20%の12万円の税金が天引き(源泉徴収)されます。

 ここで、「退職所得の受給に関する申告書」の出番です。

 勤続5年の場合は退職所得控除額が200万円あるため、申告書を会社に出せば、退職金収入60万円よりも、退職所得控除額200万円のほうが大きいため、退職所得は0円となり、税金がかからなくなるのです。申告書を提出し忘れて、税金が天引きされている場合は、確定申告をすれば正しい税金を計算することはできますが、「確定申告をする」手間がかかります。

 退職金を受け取る場合は、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておきましょう。

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

日経ウーマン

日経BP社

2018年8月号

価格:600円(税込)

毎日がうまくいく人は「朝30分」が違う
“人生楽しんでる人”のメリハリ消費術
年間5万も節約「格安スマホ」乗り換え術
味方が多い女子の「人付き合いルール」

日経ウーマンオンライン(日経ウーマン)の前後の記事