ここから本文です

本田圭佑が持つ圧倒的勝負強さ。ジョーカーとして求める結果、キャリアの全てをベルギー戦に【ロシアW杯】

7/1(日) 12:11配信

フットボールチャンネル

 日本代表は現地時間2日、ロシアワールドカップ・決勝トーナメント1回戦でベルギー代表と対戦する。ポーランド戦で出番がなかった本田圭佑はベスト8入りに向け、結果を残そうと燃えている。「集大成」の大会で積み上げてきたキャリアの全てを出し、日本を史上初の8強へと導くのは、この男しかいない。(取材・文:元川悦子【ロシア】)

【驚愕サッカー動画】ドルトムント香川、今見てもやっぱり凄かった!!

●よりタフな戦いが求められるベルギー戦

 フランスがアルゼンチンを4-3で撃破した30日のカザンでの一戦からスタートした2018年ロシアワールドカップ・ラウンド16。この地でキャンプを張る日本代表は同試合キックオフの6時間前に当たる11時からトレーニングを行い、午後のチャーター便で7月2日の次戦・ベルギー戦の地・ロストフ・ナ・ドヌへ移動した。

 この日のトレーニングは約1時間と非常に短いものだった。最終決戦に向けて西野朗監督が7~8分間の長い冒頭ミーティングを行った後、右足首痛の岡崎慎司が手倉森誠コーチとともに室内へ移動。別メニュー調整となった。それ以外のメンバーはヴァイッド・ハリルホジッチ前監督によくやっていた全員でのランニングを実施。それが終わった段階で武藤嘉紀だけがボール練習に加わらず、体幹強化用のマットへ移動したところで報道陣が締め出され、非公開となった。

「今日は(練習場の)ピッチ上に何のマークも置いていないですし、今はまず自分たちをしっかり整えるだけ。向こう(ロストフ)へ行ってから対ベルギーを考えたい。メンバーもまだ伝えていません」と指揮官が話した通り、あくまで疲労回復メニューをこなしただけの様子。ベルギーを想定した戦術・セットプレーの確認は7月1日の公式練習1回のみになる見通しだ。

 次戦は負けたら終わりの一発勝負。しかも日本サッカー界にとって未知なる領域である8強チャレンジの大一番となるだけに、計算できるメンバーで戦うしかない。となれば、19日のコロンビア戦(サランスク)と24日のセネガル戦(エカテリンブルク)に出したスタメンと同じ陣容で挑むのが妥当だろう。

 吉田麻也や長友佑都、柴崎岳といった軸を担う面々は4試合連続出場となるが、香川真司や原口元気ら疲労感のあった何人かは28日のポーランド戦(ボルゴグラード)で休養を取ることができた。これはチームにとって前向きな要素。今回は延長・PK戦もあり得るだけに、選手たちにはよりタフな戦いが求められるところだ。

●本田にとっての理想のシナリオとは

 こうした中、本田圭佑は次も「スーパージョーカー」としてベンチに控えることになりそうだ。ポーランド戦でも1点のビハインドを負った終盤に投入される見込みだったが、コロンビア対セネガル戦のスコアが動いたことで、西野監督が交代カードを長谷部誠に変更したことから出番なしのまま終了。3度目のワールドカップで初めてピッチに立たずに試合を終える経験をした。もしかすると、そのまま今大会が終わってしまう可能性があった。

 が、最悪のシナリオは回避されたことに本人も安堵感を覚えたはず。次こそはピッチに立ち、8強の扉をこじ開ける大仕事をやり遂げるべく、そのチャンスを虎視眈々と狙っていくはずだ。

「ベルギーは近年、とにかく力をつけている印象ですよね。本当、今では強豪国と言われるようなブランドを築いた。戦力的には分が悪いと思うので、プラスアルファは必ず要求されるし、そこに果敢に思い切って、楽しみながらプレーしたいなと思っています」と背番号4は過去2回のワールドカップでは持つことができなかった「遊び心」を持って、歴史的決戦に挑む覚悟だ。

 本田に出番が巡ってくるとすれば、ビハインドを背負っている劣勢の状況か、拮抗した状態で均衡を破る1点がほしい時。そのためにも、日本が前半から守備を崩されるような展開はあってはならない。相手には今大会4ゴールのロメル・ルカク、2ゴールのエデン・アザールを筆頭にイングランド・プレミアリーグで大活躍しているスターがズラリと並ぶだけに、まずはチーム全体が粘り強く組織的な守備をしていく必要がある。

 中盤にも遠目からのキャノン砲を持つケビン・デ・ブルイネもいるから、単にFW陣だけを徹底マークしていても足りない。加えて、190cm近い高さを誇るヤン・フェルトンゲンら長身DFたちがリスタートから得点を狙ってくる。こうした多彩な攻めをしっかり封じて、後半の本田投入という流れになれば、本人にとっては理想的なシナリオだ。

●今大会が「集大成」

「途中から出るというのが有力だと思いますけど、途中で出てもやるべきことの整理はついているんで、得点に絡む動き、プレー、アイディアをしっかり出す準備に時間をかけたい」と背番号4もゴールかアシストといった目に見える結果を残すべく、自分自身を研ぎ澄ませている。

 仮にベルギー戦でゴールすれば、ワールドカップ3大会通算5点目という日本代表においては前人未到の数字を叩き出すことになる。しかも、日本は2002年日韓、2010年南アフリカの過去2回のラウンド16でゴールを奪えていない。その壁を超えられるのは、重要度の高い局面で圧倒的な勝負強さを発揮できるこの男しかいないと言っても過言ではない。

 実際、ベルギーの最終ラインは大柄で競り合いには強いが、一瞬のスキを見せることがある。「弱点はいくつかピックアップしているんで、それを他の選手に共有していますし、今日も試合を見て、また新たに気づいたところがあれば、それをしっかり共有して、対応したいなと思っています」と本田自身もすでに狙いを定めているだけに、期待は高まる一方だ。

「集大成」と前々から公言しているこのロシアの地で大仕事を果たし、史上最高成績の8強入りを現実にできれば、本人も悔いを残さずにワールドカップから去ることができるだろう。本田圭佑という男がこの華やかな舞台から遠ざかるのは本当に寂しい限りだが、「次(2022年カタール大会)は36歳でしょ。ちょっと考えられないですね」と発言している以上、ここが一区切りになる可能性が高い。だからこそ、このベルギー戦でこれまで積み上げてきたキャリアの全てを出し切ることに集中してほしい。

 2008年6月のバーレーン戦(埼玉)で初キャップを飾ってからここまで97試合。本田圭佑は足掛け11年の間に彼は我々に驚きと感動を与え続けてくれた。その締めくくりになるかもしれない一挙手一投足を目に焼き付けるべく、ベルギー戦では背番号4の出番を心から楽しみに待ちたい。

(取材・文:元川悦子【ロシア】)

フットボールチャンネル

記事提供社からのご案内(外部サイト)

あなたにおすすめの記事