ここから本文です

男子100m、日本選手権での充実ぶり。「できない」という固定観念の打破。

7/1(日) 11:01配信

Number Web

 6月22日から24日にかけて、山口県で陸上の日本選手権が開催された。

 中でも注目を集めたのは、23日に決勝が行なわれた男子100mである。この日の観客数は2万658人、陸上の国内大会としては、多くの人々がつめかけた。

 スモークが焚かれる中、出場する選手が1人ずつアナウンスとともにトラックに登場すると、そのたびに大きな拍手が沸き、歓声が飛ぶ。

 レースも期待に違わぬ熱戦となった。

 サニブラウン・アブデルハキームは欠場したが、他の有力選手が一堂に会しての激しい競争がスタートから繰り広げられる。

 トップでゴールを駆け抜けたのは、山縣亮太。10秒05と大会タイ記録で5年ぶりの優勝を遂げた。2位にケンブリッジ飛鳥、3位は桐生祥秀。昨年、日本初の9秒台となる9秒98をマークした桐生でも容易に勝てない状況に、現在の日本男子短距離のレベルの高さがうかがえた。

ここ5年間の優勝者は毎回異なる。

 振り返ればこの5年間、優勝者は毎回異なり、複数回優勝した選手はいなかった。この事実は選手層の厚みを裏付けている。

 近年、日本男子短距離の躍進はめざましい。

 2016年のリオデジャネイロ五輪400mリレーには山縣、飯塚翔太、桐生、ケンブリッジで臨み、2008年の北京の銅メダル(ジャマイカ選手のドーピング発覚により銀に繰り上げの見込み)に続く、銀メダルを獲得した。

 しかもアンカーの段階まで優勝したジャマイカと先頭を競う、堂々としたレース展開での2位だ。さらに昨年の世界選手権では、山縣、ケンブリッジにかわり多田修平、藤光謙司が桐生、飯塚と組んで銅メダルを獲得した。

 リレーでの好成績はもちろんのこと、選手個々の力も充実している。

上位10名の平均記録は10秒104。

 日本選手権の直前に、日本陸上競技連盟がオフィシャルサイトに掲載した記録が興味深い。2017年の男子100mで世界50位以内の人数は、陸上大国のアメリカ(31名)、ジャマイカ(8名)に次ぐ3位(6名)。

 また、日本選手上位10名の平均記録は10秒104。2016年までの歴代最高だった同年の10秒181を大きく上回っている。これらの数字もまた、日本選手権でのレースから感じられたのと同様に、レベルの向上と選手層の厚さを証明するものだ。「短距離では勝負できない」と言われていた時代が長く続いたことからすると、成績、記録の両面で、隔世の感がある。

 では、何が近年の充実をもたらしているのか。それは「固定観念」が破られたことにあるのではないか。

1/2ページ

最終更新:7/2(月) 17:05
Number Web

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sports Graphic Number

文藝春秋

957号
7月19日発売

特別定価610円(税込)

World Cup Russia 2018 The Final

【決勝詳報】 フランスvs.クロアチア「20年ぶりの歓喜」
【クローズアップ】 ムバッペ/モドリッチ

Yahoo!ニュースからのお知らせ