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【ベルギー視点で見る日本戦】好都合だった81分の交代策。見せつけた一瞬の中の地力の差【ロシアW杯】

7/3(火) 11:55配信

フットボールチャンネル

 日本代表は現地時間2日、ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦においてベルギーと対戦して2-3と逆転負けを喫した。日本は後半の早い段階で2点をリードしたが、ベルギーは地力の差を見せつけて逆転。両チームの交代策が明暗を分けた。この一戦をドイツ在住記者がベルギーの視点で振り返る。(文:本田千尋【ドイツ】)

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●日本の攻撃が一変した後半

 タフな相手に勝ち切った。2日に行われたロシアワールドカップの決勝トーナメント1回戦。ベルギー代表は、日本代表と戦った。

 日本は、試合開始から積極的にプレスを掛けてきた。1分も経たないうちに、カラスコの中途半端なクリアが、香川真司に拾われ、そのまま鋭いミドルシュートを許す。その香川と大迫勇也を筆頭に、[4-4-2]で守備ブロックを整える日本代表。ベルギー代表に対して、臆する様子はない。ベタ引きでゴール前を固めるのではなく、ラインを高く保ちながら、連動してボールを奪いに来る。

 そんなコンパクトな陣形でしっかりと守ってくる日本代表に対して、ベルギー代表は、なかなかゲームを作ることができない。中盤のヴィツェル、デブルイネに対するケアも十分。デブルイネがボールを持てば、柴崎岳が執拗に付いてきた。縦パスが入ったアザールがドリブルで突破しようとすれば、複数でしっかりと対応してくる。ルカクにロンボールを送っても、昌子源がきっちりと対応。日本代表の意志統一が徹底された守備を前に、ベルギー代表は、攻撃のリズムとテンポを掴めない。

 もっとも、日本代表もボールを奪った後のアクションに精度を欠いたため、ベルギー代表のアタッキングサードが脅かされることもなかった。30分前後、パスを回される時間帯もあったが、さほど脅威にはならなかった。

 しかし、そんな日本代表の攻撃の精度は、後半に入ると一変する。48分、メルテンスからムニエへのリターンパスが、長友佑都と乾貴士によって奪われると、日本は流れるようなカウンターを繰り出してきた。乾からパスを受けた柴崎が、絶妙なスルーパス。左の大外から走り込んできた原口元気に、きっちりと決められ、日本に先制を許した。

●守備が機能不全に。ベルギーに好都合だった交代策

 さらに52分には、ペナルティエリアの手前で、香川からパスを受けた乾にミドルシュートを決められてしまう。カウンターで行ける時は行き、繋ぐ時は繋ぐ。日本の組織力は際立っている。まさにワールドカップのベスト16に相応しいチームだ。

 スコアは0-2。このままでは敗北への一途を辿ることになる。65分、ロベルト・マルティネス監督が動いた。カラスコに代えてシャドリを、メルテンスに代えてフェライニを投入。特にフェライニが投入されたことで、中盤に厚みが増しただけでなく、前線にも高さが加わった。

 すると、69分、CKからの混戦から、最後はファーでフェルトンゲンがヘディングで折り返したボールがそのままゴールに吸い込まれ、まずは1点を返す。さらに74分には、アザールが左サイドから上げたクロスを、フェライニがヘディングでゴールを決める。同点に追い付いた。ギアを上げていくベルギー。

 日本代表は、90分間での決着を目指したのか、81分に柴崎に代えて山口蛍を、原口に代えて本田圭佑を投入してきたが、ベルギー代表にとっては好都合だったと言えるだろう。日本の守備ブロックは緩くなり、前半に比べてカウンター時の守備が、あまり機能しなくなってきた。

 そして後半のアディショナルタイムも終わろうとする頃、本田の蹴ったCKをキャッチしたクルトワは、すかさずデブルイネへボールを渡す。デブルイネは中央を独走。右を並走するムニエにパス。ムニエの折り返しを、ルカクはスルー。ファーに走り込んだシャドリが左足で押し込んだ。3-2。土壇場でベルギー代表は逆転に成功する。

 最後の最後、ベルギー代表は、持ち前の高速カウンターでベスト8に駒を進めた。一瞬の中に地力の差を示して、ワールドカップに相応しいタフなアジアの雄を、振り切った。 
 
(文:本田千尋【ドイツ】)

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