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「電車遅延で遅刻してなぜ謝る必要が?」屁理屈新人の教育係の憂鬱

7/3(火) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 4月に入社した新人(男性)を指導する道子は、総務課の社員である。彼女は新人からの質問攻め等で、教育がなかなか進まず、イライラしてきていた。彼女の行動を心配した上司(課長)は、新人が休んだある日、彼の父親から指導の件で抗議の電話を受ける。翌日、課長と新人の2人で話し合いをするも、埒が明かない。新人はどんな騒ぎを起こすのか?(特定社会保険労務士 石川弘子)

Y社概要
地方都市にある創業50年の部品製造加工業。従業員数は500名。堅実な社風で安定した経営を行っており、地元では名の知られた企業である。
登場人物
鈴木一郎:両親とも公務員で、教育熱心な家庭に育った新卒の男性社員。地元の国立大学出身。6月より総務課に配属された。
田中道子:短大卒業後に入社した20代後半の総務課の女性社員。総務課では、新人育成も担当している。
佐藤課長:総務課の男性課長。40代前半で、妻と2人の子どもがいる。数年前に営業から総務課に異動してきた。あまり細かいことを気にしない大らかな性格なので、部下から慕われている。
鈴木崇:一郎の父親で、50代の地方公務員。生真面目で、自分の価値観を押し付ける所がある。息子の一郎に対しては過保護。
● 新人のトンデモ言動に 教育担当キレる!

 「いいから、言われた通りにやってよ!!」

 総務課のフロアに道子の声が響き渡った。教育担当の道子は、今年入社した新人の一郎を指導していたが、何かと言うと屁理屈で返答する一郎にうんざりしていた。今日も電話対応の指導をしていたところ、一郎がこんな質問をしてきた。

 「世話にもなっていない人に対して、どうして『お世話になっております』って挨拶するんですか?」

 「個人的に世話になっているということではなく、会社対会社の取引でお世話になっているということなの」と道子が説明する。すると一郎は「こちらが客の立場の場合はどうなのか?それとも取引先だけなのか?」といったように、矢継ぎ早に質問してくる。

 「新人だから、いろいろなことが初めてであり、疑問も多いだろうな」と最初は丁寧に応対していた道子だが、一郎のあまりにも度を越した質問攻撃に、教育もなかなか進まないため、質問されるたびにイライラしてきていた。ついに堪忍袋の緒が切れ、怒りが爆発してしまった。

 「ちょっとお手洗いに行ってくる」

 道子はこう言って席を離れると、給湯室でカップを洗いながら、きつい言い方をしてしまったことを後悔していた。心配して様子を見に来た佐藤課長が、道子に声をかけた。

 「おい、どうした!?」
「すみません、イライラして大きな声を出してしまって……」
「新人に手を焼いているのか?」
「鈴木さん、屁理屈や言い訳が多いので、うんざりしていて……」
「そうか。イマドキの若者は難しいな」
「課長、聞いてください。一昨日も遅刻してきたのに、彼は『すみません』の一言もなく、座るんです。他の人も彼のマナーがないっていないなどと言って来るので、指導には正直困っています」
「エッ、そうなのか!?」と課長は驚きを隠せない。

 「だから遅れた時のことで注意したら、『電車が遅延したのに、なぜ僕が謝るんですか?』と反発するんですよ」
「それはひどいな。今度何かあったら、俺からも注意するよ」

 佐藤課長に話を聞いてもらうと、道子は少しすっきりした。

● データ入力で苦戦する姿を見て 手を差しのべる道子だが…

 ある日、一郎は中途で応募してきた人の個人情報を会社のデータベースに入力する作業をしていた。手元にある履歴書を見ながら入力していると、首をひねりながら何度も同じ箇所でつまずいているようだった。隣で書類を作成していた道子が心配になって声をかけた。

 「鈴木さん、どうしました?」
「あの、このソフト壊れてませんか?生年月日の入力ができないんです」
「え?どこ?」
「(モニター画面で該当箇所を指しながら)この人の生年月日を入力しようとすると、どうしてもエラーになるんです」
「履歴書を見せてくれないかな」

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