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日本は「勇敢かつ美しいサッカーでファンを魅了」 英紙記者がW杯の戦いを総括

7/4(水) 21:45配信

Football ZONE web

「後半は今大会で最もエキサイティング」

 そして、クライマックスは後半に待っていた。

「後半は今大会で最もエキサイティングな45分と言ってもおかしくなかった。まさに、最高峰のエンターテインメントだ。日本のカウンターは凄まじく、原口のゴールはフェルトンゲンが明らかに動揺していた証拠だった。

 特に感心したのは、1-0とリードしてからの試合運びだ。日本は1点に甘んじず、さらに攻撃することで上手く時間を使い、同時にベルギーにさらなるプレッシャーをかけた。引いて守り切るような素振りは全く見せなかった。それを物語っていたのが、乾の素晴らしいゴールを演出したビルドアップだったと思う」

 両チーム合わせて5点を積み上げたローラーコースターのような45分間は、今大会最高のエンターテイメントと絶賛した。日本は後半7分までにMF原口元気とMF乾貴士の見事なゴールで、2点をリードした。だが、そこから両監督の采配に決定的な差が出てしまう。

「試合の潮目が変わったのは、マルティネスの選手交代だった。フェルトンゲンのゴールという運を呼び込み、そしてフェライニはいつも通りの仕事をした。プレミアで見せている、いつも通りのプレーだ。点を取るだけではなく、デ・ブライネがプレーしやすいようにスペースも作っていた」

 マルティネス監督は後半20分に、機能不全だったヤニック・カラスコ(大連一方)とドリース・メルテンス(ナポリ)に見切りをつけ、ナセル・シャドリ(WBA)とマルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)を投入した。特に驚異的なフィジカルと決定力を誇るフェライニは、ユナイテッドでも見せているような仕事を果たした。

 ベルギーは怒涛の3ゴールで逆転に成功。途中出場のフェライニとシャドリがともにゴールを奪ったところに、マルティネス監督の采配の的確さが表れている。

決勝点につながった日本のCKは「クレイジーとしか言いようがない」

 一方、西野監督は原口と柴崎の代わりに、MF本田圭佑とMF山口蛍を投入。結果的には、これが敗着につながった。

「アディショナルタイムの決勝点はお手本のようなカウンターだが、日本は最後のコーナーキックで一体何を考えていたのだろうか……。クレイジーとしか言いようがない。ショートコーナーで延長に持ち込むべきだった。延長でベルギーに走り負けしない体力はあったのだから」

 後半アディショナルタイムの左CKの場面。本田はすぐさまボールを蹴り込んだが、簡単にGKティボー・クルトワにキャッチされてしまった。そこから高速カウンターがスタート。対応に当たった山口は数的不利とMFケビン・デ・ブライネの圧倒的なスピードから、攻撃を遅らせることもファウルで止めることもできずに、悲劇的な決勝ゴールを奪われた。

 最後のコーナーキックの選択は、ノースクロフト氏の目には「クレイジー」に映ったという。この場面はキッカーの本田が香川にボールを預け、ショートコーナーにできれば、勝機は残ったはずと分析していた。

 それでも、日本代表と西野監督のこれまでの戦いは、最大限の評価に値するという。

「個人的には特に西野監督の今大会の采配ぶりには驚かされた。大会前には、決して冒険心があるような監督ではないという報道をいくつか目にした。日本サッカー協会にとっていわゆる安易な選択だった、と。しかしそのようなことはなかった。日本代表はロシアで、勇敢かつ美しいサッカーでファンを魅了していた」

 グループリーグ第3戦のポーランド戦(0-1)終盤の消極的なパス回しでは、「茶番」などと海外メディアから非難を浴びた西野監督。だが、強豪ベルギーを追い詰めた戦いぶりで、日本代表は評価を一気に高めたようだ。

 世界のサッカーファンにも攻撃的なサッカーで素晴らしい印象を植え付けることに成功したと、ノースクロフト氏は称賛していた。

[記者PROFILE]
ジョナサン・ノースクロフト。英「サンデー・タイムズ」サッカーキャップ。1998年以降全てのW杯、ユーロ2004、08大会を取材。レスター奇跡のプレミアリーグ優勝を辿る「Fearless」を執筆。
■ツイッター: @JNorthcroft
■フェイスブック: facebook.com/JNorthcroft

Football ZONE web編集部

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最終更新:7/4(水) 22:30
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