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ベルギー戦。8年間に及ぶ戦いが終わり、新たな未来が託された

7/5(木) 21:09配信

footballista

■ベルギーの弱点をきっちり突いた日本

 後半に入り、歓喜の瞬間が訪れる。48分の先制点では、乾がムニエからボールを奪った瞬間、走ろうともしないアザールを尻目に、柴崎はデ・ブルイネが空けた中央のスペースに走り込む。柴崎がボールを受ける直前、チャンスが生まれると確信した原口はフェルトンゲンの背後のスペースにスプリントを開始。ベルギーのネガティブトランジション(攻→守)の遅れを意識し、構造上最も狙えるスペースをいち早く突いた柴崎の頭脳と、長い距離をきっちり走り込める原口の個性が絡み合った、まさに化学反応と言えるようなゴールだった。

 また52分の乾のゴールは、デ・ブルイネへのパスをカットした吉田が、大外にフリーで待機していた乾にパス。前線の3枚は戻る素振りもなく、デ・ブルイネも次の攻撃を考えてかゆっくり戻ろうとしていたスキを見逃さず、ベルギーの最終ライン前にできた広大なバイタルエリアを活用。ミドルシュートをきっちり枠に飛ばした。5対6と日本にとって数的不利な状況ではあったものの、ベルギーの前線が前に残りがちで、人数がそろっていてもバイタルエリアを空けてしまう最終ラインというベルギーの習性を見逃さず結果に結びつけた、見事な得点である。

 一気に優位に立った日本。ただ、「赤い悪魔」はこのままでは終わらなかった。

■技術を力技に変えて襲い掛かるベルギー

 65分、ベルギーはメルテンスに代えてフェライーニ、カラスコに代えてシャドリを投入する。結果的にこの采配が、試合の大きな分岐点となった。ベルギーはピッチに並ぶ駒の特性を踏まえ、攻め筋をこれまでとは明確に変更した。

 194cmのフェライーニを170cmの長友とマッチアップさせ、「高さ」という質的優位のポイントを作る。当然、この状態でフェライーニに縦パスが入れば、危険な位置で起点を作られてしまう。日本は昌子がルカクを離し、長友のヘルプに入る。ベルギーはボールをサイドに展開し、クロスに対してフェライーニ、そして吉田と1対1でマッチアップする形となったルカクがゴール前に飛び込む戦法で日本ゴールに迫っていった。

 左サイドにフレッシュなシャドリを入れたことで、ベルギーは「左から崩し、中で高さのミスマッチを突く」という新たな形も披露することとなった。技術やスピードの駆け引きだけではなく、場合によっては高さや力強さという対極的な手法も使い分けるベルギー。そして、日本はそれを止める術を持ち合わせていなかった。

 69分、74分とセットプレーの流れから日本は連続失点、後半アディショナルタイムには自分たちのCKからカウンターを食らって決勝点を奪われた。日本はベルギーが最後に繰り出した高さ、そして彼らの最大の武器であるポジティブトランジション(守→攻)の破壊力に屈する形で、ベスト8への切符をあと一歩というところで逃すこととなった。

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最終更新:7/5(木) 21:09
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