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スペインの知将がベルギー戦を分析。 「選手の相互理解は特筆に値した」

7/5(木) 16:50配信

webスポルティーバ

「ラ・レアルの試合以上に、胸がドキドキした。後半途中からは見ていられなくなるほどだった」

【写真】スペインの目利きがW杯日本の18名を採点

 ラ・レアルことスペインのレアル・ソシエダで20年間、強化部長やセカンドチーム監督などを務めたミケル・エチャリは、日本対ベルギー戦後、率直な感想を口にしている。

 エチャリは南アフリカW杯に挑んだ岡田ジャパン時代から、日本代表を見守り続けてきた。今や日本代表を語るとき、「私たち」という主語で話すほどだ。ロンドン五輪、ブラジルW杯、リオ五輪もスカウティングし、海外では誰よりも日本人選手の実力を把握している専門家のひとりといえるだろう。

「最後のコーナーキックを、日本は直接放り込むべきではなかった。飛び出したGKにキャッチされ、カウンターを受けた。もしショートコーナーにし、ボールを入れたときのプレーでフィニッシュする駆け引きがあったら……」

 エチャリは、分析に及ぶと冷静だった。

ベルギー戦で秀逸なポストワークを見せた大迫勇也「序盤、日本のプレースピードが目立った。果敢なハイプレスを行ない、攻撃的な姿勢を示した。香川真司がいきなり左足でシュートを打っているが、そこからは”敵陣で、得点するためにプレーする”というメッセージが伝わってきた。

 4-2-3-1が基本システムだが、長谷部誠が後ろ目で、柴崎岳が前目という意味では、4-1-4-1にも近い。グループリーグ1、2戦目と同じ先発メンバーで、攻守にバランスが取れており、最適なメンバーだった。

 攻撃と守備における選手の相互理解と仕事の質の高さは、特筆に値した。第3戦のようにボールロストが多くなく、ボールを前に運べている。大迫勇也は刮目(かつもく)に値するポストワークを何度も見せたし、香川は献身的に背後のスペースをカバーし、長友佑都はシュートブロックする。攻守で選手たちが仕事をしていた」

 エチャリは準備と立ち上がりのよさを称賛した。

「しかし、20分を過ぎてから、ベルギーがペースを握った。単純に選手の技術と戦術の高さで、両サイドから深く侵入するような攻撃を繰り出す。いったんは日本に阻まれても、1トップのロメロ・ルカクがボールを呼び込み、時間とスペースを作ることで、その背後に入ったエデン・アザールらにアドバンテージを与えた。3-4-2-1いう布陣で、ベルギーの選手たちはいい感覚でプレーすることができていた。

 日本はセットプレーでの強度が弱く、しばしば窮地に陥っている。ケビン・デブルイネのキック精度が高かったこともあるが、エリア内で相手選手をつかみきれなかった。川島ともつれた際のバンサン・コンパニのマーキングは離れてしまっていた。

 日本にとって苦しい時間が続いたが、たとえば香川が中盤に落ちて、ディフェンスをサポートしたり、柴崎岳が中盤でカバーリングしたり、お互いが良好な関係を築いていた。コンビネーションで、ベルギーに対抗していた。

 前半はプレスで後ろがついていけず、間延びしたラインのギャップをベルギーに使われていたが、後半はコンパクトに保てるようになった。

 47分、乾貴士のいいディフェンスから、ボールを柴崎につなげ、柴崎は右サイドの原口元気を走らせた。原口はマークをしていたヤン・ベルトンゲンの裏を取り、GKティボー・クルトワと1対1になると、ファーポストに流し込んだ。守備から攻撃のトランジションでベルギーを上回ったのだ。

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