ここから本文です

辛酸なめ子の最新コラム「右脳を刺激しまくる縄文アート」

7/7(土) 19:00配信

集英社ハピプラニュース

「縄文」というワードで高揚する人は少なくないのではないでしょうか。日本人の遺伝子に息づく縄文マインド。このたび、東京国立博物館 平成館で開催されている特別展「縄文ー一万年の美の鼓動」(縄文展)はこれまで見たことのない珍しい土器や土偶などが大量に並んでいて、縄文エネルギーが本能に働きかける展示です。

右脳を刺激しまくる「縄文アート」を、もっと見る

日本人の多くは縄文系と弥生系のミックスですが、どちらの濃度が高いかによってこの展示へのハマり具合が変わってくるかもしれません。(個人的には以前行った遺伝子検査で、縄文人の骨と同じミトコンドリア遺伝子だったので、縄文文化に共感しがちです)。

縄文時代は約1万年以上も続き、平和で現代よりもよほど暮らしやすかったのではないかと拝察しますが、草創期と早期、前期、中期、後期、晩期に分かれています。

草創期の土器は形はシンプルでさりげなく縄の模様が。そこから土器の形が複雑化して模様が描かれ、彫られたり、中期の火焔型土器のように芸術的な外観になっていきます。

弥生時代になると機能的でシンプルなデザインに変化。現代の日本のプロダクトのクールなデザイン(佐藤可士和的な)は弥生のセンスを受け継いでいるような……。縄文センスにはおしゃれとかダサいとかを超越した美しさがあるように思います。

展示で圧巻だったのはガラスケースなしで火焔型土器、王冠型土器が鑑賞できるコーナー。約4000年~5000年前の土器は今もなおパワーをほとばしらせています。土器にはうねりや炎、風などさまざまなエネルギーを感じます。見ているだけでリズムが感じられ、原始的な音楽が響いてきそうです。

見ていたら、土器は「地」「水」「火」「風」「空」といった五大元素を表しているような気がしました。土器は水を沸かし、煮炊きや木の実のアク抜きなどに使われたとされています。それ以外にも、水にエネルギーを宿らせるために使われていたような気がします。土器の模様から波動が生まれているような……。土器に入れたものはおいしくなるとか腐りにくいとかあったのでは? 渦巻き模様の、ケルト文化との共通性も気になります。ちなみに今年は九星では「九紫火星」なので火のモチーフの火焔型土器や土遇に注目が集まるのも運命的です。

土偶コーナーには、まさに「土偶セレブ」という言葉が頭によぎるくらい、報道関係者が周りに集まって写真を撮りまくっていました。広い空間に贅沢に3体の土偶セレブが佇んでいますが、「場を支配する力を持っています」と解説の方がおっしゃるとおりです。

とくに「縄文の女神」はモデルのような体型とモードなファッションでオーラがあります。対照的に、7月31日から展示予定の「縄文のビーナス」は膨らんだお腹と曲線的な体で子孫繁栄のエネルギーを宿しています。自分の生き方やライフスタイルによって推し土偶を決めても良いかもしれません。縄の跡がついているせいか、表情によってはドMに見える土偶も。奴隷の元祖でしょうか。

そして「古代宇宙飛行士説」がささやかれる遮光器土偶も何体も展示されていました。ゴーグルを付けたような目が特徴的。それ以外にも、半分蛙みたいな人とか、猫みたいな宇宙人っぽい土偶とか、古代宇宙飛行士説を信じたくなる珍しい土偶たちが。晩期のちょっと雑な土偶も味わい深いです。男性器をかたどった、ガチガチで巨大な「石棒」にハッとしました。女性の理想形である曲線美の土偶と同じく、こちらは男性の理想形です。

最後のコーナーでは川端康成と「ハート形土偶」、岡本太郎と「顔面把手」、柳宗悦と「岩偶」など、作家や芸術家のお気に入りの土偶などが展示されていました。作家や芸術家は縄文のオブジェからパワーやインスピレーションを得ていたのかもしれません。縄文オブジェは見る人を幸せにしてくれます。展示会場を回っただけでも十分元気になり、暑さでふらふらだったのが復活しました。縄文時代も急な気温上昇があったそうなので、夏を乗り切るエネルギーをもらえそうです。


◆特別展「縄文-1万年の美の鼓動」(縄文展)
期間:~2018年9月2日(日)
時間:9:30~17:00(金・土曜は、21:00まで。 日曜および7月16日(月・祝)は18:00まで。入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜・7月17日(火)※7月16日(月・祝)、8月13日(月)は開館
場所:東京国立博物館 平成館(上野公園)
東京都台東区上野公園13ー9
http://jomon-kodo.jp/

text:Nameko Shinsan