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【月刊『WiLL』(8月号)より】金正恩一行はなぜ南シナ海上空を飛んだのか

7/10(火) 9:01配信 有料

WiLL

見事な交渉戦術

「世紀の会談」といわれる「米朝首脳会談」が行われた。今まで誰もできなかった首脳会談を実施したという事実は間違いない。まずはそのことを正当に評価すべきである。このような出来事があった場合に、必ず批判をする人々が出てくるが、しかし、そんな批判をしている人々に任せていては、永遠に首脳会談までこぎつけられなかったことも、また間違いないだろう。
 実際に、民主党のオバマ大統領の時代でも、米朝首脳会談は実施されていない。ましてや、日本の野党が批判している姿を見ると、呆れるのを通り越して滑稽に思える。
 さて、この米朝首脳会談でまず言わなければならないのは、トランプ大統領の巧妙な「合意書」の作成である。「拉致被害者」と言わず、「戦争捕虜及び行方不明者」という言葉を使って、拉致被害者や、そのほかのアメリカ脱走兵などを包括的に入れることによって、北朝鮮に「拉致は解決済み」と言わせないで、全面的に協力させる仕組みになっている。
 これは、安倍首相にとって最も大きな収穫であったはずだ。そもそも日本で「拉致」と認定されている行為が、朝鮮戦争継続中における北朝鮮において、このように認識されているかどうか不明だ。
 解決のための交渉を進めるには、北朝鮮の解釈に従い、その「事象」の解決を迫るのが近道ではないか。その点、安倍政権がかなり巧妙な調整を行って拉致問題を前進させてきたと言うべきではないか。
 合意文書には「具体的な非核化の工程がない」と言われるが、「ない」ということは、アメリカが進んでいないと言えば、いつでも合意違反で叩ける、ということであり、北朝鮮の生殺与奪の権をアメリカが握ったということを意味する。逆に言えば、将来という不確定な時期までアメリカが北朝鮮の核ミサイルの保有を認めたとも受け取れる。その判断はアメリカが行うということであり、今回、会談を行うか否かで北朝鮮を翻弄した上での交渉プロセスは、ある意味で見事であったと思う。
 米朝首脳会談のような重要会議は、その会談の影響が周辺国、とりわけ六カ国協議に参加した残りの四カ国に大きな影響を与えることにもなる。特に中国と韓国の動向を注目してみたい。 本文:4,899文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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宇田川敬介(ジャーナリスト)

最終更新:7/10(火) 9:01
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