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日産でまた不正発覚、露呈した甘い規範意識

7/10(火) 5:00配信

東洋経済オンライン

 「完成検査問題の再発防止に向けた取り組みを進めている中で、このような事案が発覚したことに対して深くお詫び申し上げる」

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 日産自動車は9日、国内全6工場のうち5工場で、新車出荷前に実施する排気ガスと燃費検査の測定データを改ざんするなどの不正が見つかったと発表した。記者会見した日産の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は陳謝した上で、「時間はかかるかもしれないが法令順守意識の徹底が急務。調査を徹底的に進めていく」と述べた。

 日産では昨年9月、無資格の従業員が完成車を検査する問題が発覚し、国土交通省から2度にわたって業務改善指示を受けた。しかし、無資格検査発覚以降も一部工場で別の不正が継続していたことで、同社内における規範意識と危機感の低さが改めて露呈した格好だ。

■不正が行われたのは19車種1171台

 不正が発覚したのは、栃木、追浜、日産車体湘南、日産車体九州、オートワークス京都の5工場。完成車検査の工程で新車の性能を最終確認する抜き取り検査を行うが、燃費や排気ガスの測定データが自社で設定した基準から外れた場合、都合の良いようにデータをシステム上で書き換えていた。

 また、抜き取り検査の際に車の速度や試験室の温度・湿度などの条件が国の定める試験基準から逸脱していたにもかかわらず、試験を有効としていた事例もあった。抜き取り検査をした2187台のうち、5割を超える1171台でいずれかの不正が見つかった。

 不正があった車種は、「フェアレディZ」や「スカイライン」、「フーガ」など日産を代表する高級車に加えて、小型車の「ノート」や「マーチ」といった売れ筋車種も含めた計19車種にも及び、日産の国内生産全体に不正が蔓延していたといえる結果となった。

 今回の不正に関与していたのは現時点では計10人としており、不正マニュアルなどの存在は確認されていない。日産によると、残されていた信頼性があるデータを用いて再検証した結果、生産台数が少ない「GT-R」を除いた全車種について、保安基準に適合していることを確認したという。山内CCOは「カタログで公表している燃費の数値に誤りはない」と強調した。リコール(回収・無償修理)はしない方針だ。

 不正の動機について、山内CCOは「再検査を避けるために、不正行為をしていたのではないかと推測される」と述べたが、調査中として明言を避けた。日産は外部の法律事務所に調査を委託し、動機など不正に至った原因の究明を進めている。1カ月後をメドに調査結果を公表する方針だ。

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