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ペットとの避難、災害時に飼い主に立ちはだかる問題とは

7/11(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 地震や水害など日本は自然災害が多い。被災によって自宅での生活が困難な場合、避難所暮らしを強いられることになるが、その場合、「愛するペットをどうすべきか」という難問が立ちはだかる。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

● 大きな災害が起きるたび ペットの避難が気になる

 ペットを飼っている人の大半は、「ペットは子ども同然」「かけがえのない大切な家族」と思っている。世の中、空前の猫ブームが到来しているらしいから、こんなペット愛を理解してくれる人たちの方が、「理解できない派」よりも大勢を占めていると思いたい。

 だが、たとえペット愛理解勢力でも、大災害時には「人間の生命が危うい時に、ペットなんかに構っている場合じゃない」となってしまうかもしれない。

 2015年の9月に起きた常総大水害では、鬼怒川の堤防が決壊したことによって、今にも濁流に飲み込まれそうな民家の屋根に取り残された夫婦と柴犬2匹が、自衛隊のヘリコプターで一緒に吊り上げられ、共に救出される様子が日本中の注目を浴びた。

 救出した自衛隊員には、称賛と同じくらい、批判の声が寄せられたという。ペットを家族と思っている人間にとっては、一緒に救出されるのは当然のことなのだが、逆に、苦々しく思う人もいる。

 「税金使って、犬畜生なんか助けるんじゃない」と……。

 筆者は、地域猫出身のメス猫と、先天性の疾患を持つオス犬を“家族”として迎え入れて同居している。彼らは完全な家族なので、動物だから、見殺しにしても構わないとは絶対に思えない。むしろ、人間社会に、動物の命を軽んじる風潮があるからこそ、(この子たちを守ってあげられるのは自分しかいない)という使命感で熱くなる。

 特にこの6月は大阪府北部地震があり、6月後半からは全国で「記録的な大雨」が続き、水害も起きている。この「自然災害列島」で、私たちはいかにして、ペットを守ればいいのだろう。

 まずは最も肝心な自分が住んでいる地域(神奈川県川崎市)の、ペットに対する防災対策を調べてみた。

● 「ペットも一緒でいい!」 同行避難が推奨されている

 川崎市は2013年から16年まで連続で犬の殺処分ゼロ(猫は4頭)を達成(2017年は犬1頭、猫19頭)。筆者は10年から、川崎市動物愛護センターの活動を見守ってきたが、職員とボランティアの皆さんの努力と誠実さには、本当に頭が下がる。

 だいぶ減少しているとはいえ、全国では依然犬猫合計で5万5998匹(前年度比較で67.5%)もの殺処分が行われている。川崎市も神奈川県も、ペットの生命を大切にする意識は、他の自治体に比べ、相当高いことは確か。そんな川崎市なのだから、ペットに対する防災対策もきっと進んでいるはずだと期待した。

 川崎市は15年3月に、『備えていますか? ペットの災害対策~飼い主の備えと避難所ペット管理ガイド~』を作成し、災害への備えを呼びかけてきた。18年には、より具体的で、使い勝手のいい「ペットの飼い主のための防災手帳」も作成され、ネットでダウンロードすることもできるし、各区役所保健福祉センター衛生課窓口などでもらうこともできる。

 このガイドブックは、東日本大震災等の教訓を踏まえ、13年に環境省が策定した「災害時におけるペットの救護ガイドライン」を参考にしてまとめたもの。同様のものを制作している自治体は、他にも結構多そうだ。

 さっそく見てみた。

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