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親の成年後見人になった私が後悔している事

7/11(水) 9:00配信

東洋経済オンライン

親が認知症になって銀行のキャッシュカードの暗証番号がわからなくなったら、子どもであっても預金を引き出せません。子どもが親の「成年後見人」になれば解決する――そう銀行から告げられた筆者が父親の成年後見人となって4年、その経験を基に『認知症の親と「成年後見人」』を上梓しました。なぜ筆者は「成年後見人になるかどうかはもっと慎重に決めるべきだった」と感じているのでしょうか。

 2013年10月、私にまさかの出来事が起こります。母が末期がんであること、さらに父の認知症がかなり進行していることが、同時に判明したのです。母は年明けに危篤状態に陥り、医師から「余命1か月」と告げられました。一方、父も腰の圧迫骨折で倒れて意識を失い、入院します。

 この事態をどう乗り越えたらいいのか――。まずは親の財産を知る必要があると考えた私は、父のメインバンクの通帳をチェックしました。そこには予想を超える預金があり、年金も十分振り込まれていることがわかったので、姉と話し合い、母をゆったり送り出すとともに、父を民間の介護施設に入所させようと決めました。

■大きく立ちはだかった「お金の問題」

 しかし、ここで大きく立ちはだかったのが「お金問題」でした。親の入院費用や生活費、葬儀費用、父の介護施設の入所費、その他もろもろ……。それらの費用を工面しようにも、父の銀行のキャッシュカードの暗証番号を把握していなかったため、引き出せない事態に陥ったのです。それでも発生するものは発生します。私は自分の貯金から、それらの費用を捻出していましたが、この状態がずっと続くと考えると、不安だけが募りました。

 ダメもとの気持ちで、銀行に直談判しに行くと行員と面談することになりました。そこで、なぜお金が必要なのかを必死に伝えたところ、行員が「では今回は私の責任で」と、当面の費用を引き出すことはできました。しかし、肝心の暗証番号は教えてくれませんでした。さらに預金の半分以上を占めていた定期預金の解約は「名義人(父)の委任状がない以上、不可能です」と言われました。

 さらに私に「お金問題」が襲ってきます。母の死去後、遺産相続が、お手上げ状態になってしまったのです。金融機関の預貯金を遺産相続するときは、遺産分割協議書や金融機関に提出する書類に、相続人それぞれの署名が必要になりますが、母の死去などで当時、父の認知症の症状は悪化しており、とても自分で署名できる状態ではなかったからです。

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