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安倍政権を揺さぶる豪雨災害対策の不手際

7/11(水) 5:00配信

東洋経済オンライン

 ただ、今回の豪雨災害では、与野党双方から首相ら政府与党幹部の見通しの甘さを指摘する声も相次いだ。首相は豪雨の予報が出ていた5日夜、自民党議員との懇親会に出席。週末に予定していた総裁選地方行脚を目的とした鹿児島、宮崎両県訪問は中止したが、関係閣僚による非常災害対策本部会議の会合を開いたのは事態が深刻化した後の8日で、後手に回った印象は拭えない。

 特にインターネットなどで炎上したのが、首相の5日夜の懇親会出席だった。豪雨災害が刻々と迫る中、自民党の中堅・若手議員らが官邸近くの衆院赤坂議員宿舎で開いた「赤坂自民亭」と称する懇親会には、首相や竹下亘総務会長、岸田文雄政調会長らが出席、首相や岸田氏の地元の日本酒などを酌み交わして気勢をあげた。

 しかも、約50人もの自民党議員が出席したこの会合の模様を、首相とともに参加した西村康稔内閣官房副長官が、メンバーがVサインなどでご機嫌な首相を囲む集合写真をツイッターに投稿し「笑笑 いいなあ自民党」などと書き込んだからだ。西村氏は政府と与党の連絡役でもあり、ネット上では「この大変な時に何をやっているんだ」など批判の書き込みが殺到することになった。

 このため 会合の元締め役でもあった竹下氏は9日の記者会見で、「どのような非難もお受けする。これだけすごい災害になるという予想は持っていなかった」と謝罪と釈明に追われた。併せて、与党の公明党からも「官邸は緩んでいる」との批判が相次ぎ、「首相らのお寒い危機対応」(閣僚経験者)が非難の的となったことで、9月の自民党総裁選への影響を懸念する声も広がった。

 一方、野党は9日、国会審議より災害対応を優先するよう政府に申し入れるなど、会期末の法案処理も絡めた与野党の駆け引きが活発化した。立憲民主党の枝野幸男代表や自由党の小沢一郎代表など野党5党の代表は、災害対応に全力で取り組むよう政府に申し入れることで、カジノ実施法案などの重要法案の会期内成立を阻止することを狙っている。災害対応の中軸を担う石井啓一国土交通相は、カジノ法案も所管しているからだ。立憲民主の辻元清美国対委員長は9日、「カジノの議論をしている場合ではない」と口を尖らせた。

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