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イスラエル発の「空飛ぶクルマ」が、戦場を自律飛行して負傷者を救い出す

7/12(木) 18:11配信

WIRED.jp

不格好なドローンのような無人機が戦場を自律飛行し、物資を運んだり負傷者を救助したりする──。イスラエルのTactical Roboticsが開発した「コーモラント」は、時速160km以上で約48kmを飛ぶ「空飛ぶクルマ」だ。このほど実施されたデモンストレーションからは、戦場や救助活動などにおける実用化の可能性が見えてきた。

緊急時に活用できる可能性も

白い作業着を着た5人の男が、担架を地面から持ち上げた。このうちのひとりは、患者につながっている透明なプラスティック製の点滴静注バッグを、胃の辺りでしっかりと押さえている。

彼らが患者を運んでいる先には、小さな車輪が付いた黒いゴムボートとハエを掛け合わせたようなものがある。側面のハッチから担架を乗せると、男は後ろに下がった。

「この患者」とは、実は医療訓練用のマネキンである。「彼」が参加したのは、新しい航空機のミッションを示す初めてのデモンストレーションだ。豆のようなかたちをしたこのドローン「コーモラント(Cormorant:水鳥の“ウ”)」は、イスラエルに本拠地を置くTactical Roboticsが、戦場から負傷者を輸送するために開発した。

戦場からの負傷者の輸送は、現在はヘリコプターに依存している。だが、このドローンは新しい設計に加えて人間の操縦士なしで動作することで、こうした輸送を迅速かつ安全に行えるようになるという。

このマネキンによる救助は、2018年5月初めにイスラエルの北部にある人里離れた飛行場で行われたデモンストレーションの「後半部分」だった。コーモラントはまず、満杯の軍用品を載せ、最初は少しぐらつきながら飛び立った。緑の芝生の上を大きな輪を描きながら水平飛行を行い、垂直に降下して草の上に着陸した。作業着を着た男が軍用品を降ろし、同じ場所に患者を乗せて、再び飛び立つのを見送った。

このデモは、イスラエル国防軍の代表者も見学していた。同軍は、Tactical Roboticsがコーモラントの自律機能を売り込みたいと考えている顧客のひとつだ。このデモは、同社にとって15年12月に垂直離着陸(VTOL)が可能な大型ドローン「AirMule[日本語版記事]」が初めて飛び立ったとき以来の大きな前進だった。

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最終更新:7/12(木) 18:11
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