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欧州で起きている「指導者革命」グアルディオラ以降の新たな世界

7/13(金) 12:35配信

footballista

『モダンサッカーの教科書』から学ぶ最新戦術トレンド 第3回

書籍『モダンサッカーの教科書』は、ヨーロッパのトップレベルにおいて現在進行形で進んでいる「戦術パラダイムシフト」を、その当事者として「生きて」いるバルディとの対話を通して、様々な角度から掘り下げていく一冊だ。

この連載では、本書の中から4つのテーマをピックアップしてモダンサッカーの本質に迫る。第3回はまさにバルディが体現している元プロ選手以外の台頭=「欧州で起きている指導者革命」の背景を結城康平氏に解説してもらった。


文 結城康平


 ペップ・グアルディオラの思想によって加速する戦術のパラダイムシフトは、現代フットボールを緻密な論理によってコントロールすることを目指している。「新世代」の指導者が実力を示し始めた今、彼らを導く「理」について考察してみたい。

■集合知の時代

 ペップ・グアルディオラが近代フットボールにおける、1つのマイルストーンになった事実を否定することは難しい。バルセロナで彼が成し遂げたことはアリーゴ・サッキやヨハン・クライフのような「戦術史の分岐点」であった。リオネル・メッシの0トップは、アレックス・ファーガソンが率いるマンチェスター・ユナイテッドを機能不全に追い込み、新たな時代の到来を高らかに告げた。

 しかし、「0トップ」や「ビルドアップの手法」自体はグアルディオラ本人が認めているように「戦術史を読み解けば、見つけ出すことが可能なシステム」であり、先進的なものではなかった。実際、0トップだけを参考にしようとした多くの指揮官は苦しみ、表層的なグアルディオラの模倣は不可能であることが明確となった。

 そこから数年を費やした継続的な研究により、グアルディオラの偉業は徐々に「メソッド化」されていく。さらに彼の思想において根幹となった概念であった、スペインのフットボールにおける「ポジショナルプレー」が解読されることによって、グアルディオラの戦術は「再現可能」となる。多くの研究者がオープンに自分たちの発見を共有しようとしたことで、言語の壁を超えた知識の集約が進んでいった。インターネットを代表となするテクノロジーの進歩も、当然この「急速に知の集合が可能となった」現象に影響している。

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最終更新:7/13(金) 12:35
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